カテーテルによる3D画像作成法
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2012.10.01
体の3か所に電磁石を付け、 磁場を発生させて、 それらの強さを同時に周期的に変化させます。 胃カメラの先端に磁場センサーを付け、 カメラの先端を空気で膨らませた胃の壁に接触させ、 その点における3つの磁場の強さの変化のタイムラグの差を調べれば、 3角測量法の理論によりその3次元的な位置が特定できます。 胃カメラの先端を胃壁に接触させながら円を描くようにトレースして、 位置データーをたくさん集めます。 このデーターを使って3次元グラフィックソフトに胃カメラの先端の通った所をプロットさせますと、 胃の3次元画像が出来上がります。 この方法ですと、 従来の 3D−CT のように放射線を当てることもなく、 妊婦さんでも安心して検査を受けられます。
このような検査が実際にあるわけではありませんが、 この理論の応用で、 アブレーション治療施行時に心臓とカテーテルを3D表示させる医療機器が、 バイオセンス・ウェブスター社によって作られました。 アブレーション治療とは、 カテーテルという細長い管を血管を通して心臓の中に入れ、 不整脈の原因となる異常電気刺激の放出部や伝導路を高周波電流を使って焼灼(しょうしゃく)し、 異常刺激が伝わらないようにして不整脈を根治させる治療法のことです。 この機器は、 カテーテルの先に取り付けられた心内心電図の電極から得られる情報をコンピューターで解析し異常電気刺激の放出部や伝導路を発見するシステムとタイアップしており、 この機器のお陰で、 アブレーション治療に熟練していない術者でも、 心臓カテーテル検査に精通している者なら誰でも容易にアブレーション治療の術者になれるようになりました。