無酸素運動 と 有酸素運動
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2012.07.05


  骨格筋の直接のエネルギー源はATPである。 ATP が ADP と リン酸 に分解されるときに化学エネルギーから変換されるエネルギーが筋収縮に用いられる。 しかし、 ATPの貯蔵量は少なく数秒程度で使い切ってしまうため、 体内ではいろんな化学エネルギーを使ってADPからATPの合成が行われる。 ATP合成には 無酸素系( リン酸系、 解糖系 )と 有酸素系 がある。

リン酸系( CP系 )
  クレアチンリン酸の分解によって外にでてきた化学エネルギーから即座にATPを作る。 こうしてできたATPを再びADPに分解することにより約10秒間の持続運動が可能である。 瞬発力 や 火事場のバカ力 で使われる。 陸上競技の100M競走は主にこれをエネルギー源とする。

解糖系( 乳酸系 )
  酸素を使わずに、 グリコーゲンをピルビン酸へ、 さらに乳酸へと分解し、 それによって外に出てきた化学エネルギーから比較的早くATPを作る。 陸上競技の400m競走は主にこれをエネルギー源とする。 ただしすぐに筋が疲労してしまう。

有酸素系
  上記の無酸素系たちとは異なり、 酸素を化学結合させることによって外に出てくる化学エネルギーを利用して、 長時間に渡りATPを合成できるため、 持続的な運動が可能である。 グリコーゲン、 乳酸 あるいは 脂肪 から アセチルCoA が生成され、 さらに化学反応を経てATPが合成される。( 化学反応の詳細は、 クエン酸回路( ATC回路 )、 電子伝達系 を参照のこと )

  人間の筋肉には、 無酸素運動が得意な速筋( 白肉 )と 有酸素運動が得意な遅筋( 赤筋 )があり、 遺伝的にその比率が決まっているので、 短距離走に向く人 と 長距離走に向く人があるという。