肱川あらし
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2012.07.12


  肱川あらしとは、 初冬の朝、 河口から約10km離れた標高10mの低い大洲盆地で発生した霧が、 両側に山が迫っている肱川上を移動して、 白い霧を伴った冷たい風速10m/秒以上の強風が河口を吹き抜ける現象であるといわれています。

  昨年の晩秋の早朝、 車で山に上がり、 大洲盆地の霧を雲海として眺めました。 山の途中の道路は濃霧( 靄もや )でしたが大洲の街中の道路には霧はかかっていませんでした。 それから、 肱川あらしを見るために、 川沿に車を走らせましたが、 途中の道路には霧は発生しておらず、 また、 大洲盆地の霧が河口に向けて移動している姿を見ることはできませんでしたので、「 今日は大洲盆地には霧がでてるけれど、 肱川あらしは発生していないのかしら。」と少々不安になりました。 しかし、 河口が近くなると、 肱川の川面に蒸気霧( じょうきぎり )が発生し、 それが強風に煽られて海の方へと向かっているのが見えてきました。 蒸気霧とは、 蒸発のために湿度が高くなっている川面上の大気に冷たい大気団が流れ込んで混じり込んできたときに発生する霧のことです。 冬に息が白くなるのと似た現象です。

  中央部分が開閉式になっている幅の狭い赤橋を渡って、 反対側の川べりの道に車を止めて外に出ると、 思った以上に冷たい強風が吹き荒れており、 「 これが肱川あらしなんだ。」 と確信しました。 そして、「 肱川あらしとは、 大洲盆地の冷たい空気の一部が、 肱川上を下って暖かい瀬戸内海上の空気団の下に潜り込むときに起きる現象ではあるものの、 それに伴って大洲盆地の放射霧( ほうしゃぎり : 夜間の放射冷却によって発生した霧 ) が高速で移動する現象ではなかったのだ。」と思ったのです。 これは私の1回だけの観察ですので、 関係者の方々へ、 間違ってたら御免なさい。

  ※ 追記( 2024年01月 ):
     2015年に大洲市によって発刊された「肱川あらし」は、 私の観察したもの
が肱川あらしではないことを教えてくれます。