(1) 気体の圧力は気体分子の運動が作る
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熱力学の公理を表す基本方程式の1つに次の式があります。

気体の圧力の正体は、 気体分子の気体を封じ込める物への衝突であり、 次の公式があります。

を
に代入すると、 次の式になります。
この式の右辺は、 運動エネルギーを表しています。 この式から、 気体の内部エネルギーは、 気体の分子の運動エネルギーの総和である ことがわかります。
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気体の圧力は分子運動が作るといいますが、 大気圧にはそんな定義はありません。 大気の圧力は、 1平方メートルの上に乗っている空気の全質量 ( kg ) に重力加速度をかけたものです。
標準大気圧 :

買い物用のナイロン袋の中の空気を逃がさないようにして口を縛ります。 膨らんだナイロン袋の外側からは内側に向かって
の大気の圧力がかかっており、 内側からは外側に向かって
のナイロン袋内の空気の圧力がかかっています。 ナイロン袋内の空気の圧力は、 1平方メートルの上に乗っているナイロン袋内空気の全質量に重力加速度をかけたものではありません。 これはどのように考えればいいのでしょうか?( 考え方その1 )
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1平方メートルの上に乗っている大気の密度に比べると、 ナイロン袋内空気の密度は極めて大きくなっています。 というのも、 地上近くの大気の部分的密度はナイロン袋内空気の密度と等しいのですが、 上空の大気の部分的密度は、 それに比べて非常に小さいので、 平均するとナイロン袋内空気の密度よりも非常に小さくなるのです。 したがって、 ナイロン袋内の空気の密度に比べると、 1平方メートルの上に乗っている大気の密度は
と近似することができます。 閉じ込められた気体の圧力は次の式で与えられます。
したがって、 大気の気体の分子運動が作る圧力は
です。 したがって、 あとは重力による圧力のみを考えればいいのです。 したがって、 大気圧は
になります。-
ナイロン袋内空気の密度とその周辺の部分的大気の密度は等しく、 気体の圧力は上記の式より得られ、
になるとします。 そして、 ナイロン袋の周辺の大気よりも上にある大気からは、 その重力によってナイロン袋の周辺の大気に対して圧力がかかっているのですが、 ナイロン袋の周辺の大気の圧力がそれと相殺して、 ナイロン袋にはその圧力が及んでいないと考えます。
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