ベートベン 交響楽 第7番 は イ長調ですが、 第2楽章だけはイ短調になっています。 この楽章の面白さは、 和音進行にあります。 今回、 その和音進行について述べてみたいと思います。 なお、 私は、 長調と短調の間の転調を 「 変調 」 と言い、 長調または短調の範囲内での転調を 「 移調 」 と言っていますが、 この用語の使い方は一般的ではありません。
( バイオリンが登場するところから。)

1. 最初の4小節は、 イ短調である。

2. 次の4小節では、 ハ長調へ変調。

3. 新たなフレーズの最初の4小節は、
の和音ばかり。
4. 新たなフレーズの続く4小節で、 再びイ短調に収束する。

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の和音
の和音
の和音ハ長調



イ短調



イ長調



ロ長調

ロ短調

傾いたやじろべえの重心が支点の真下に向かい最後は安定するように、 音楽もやや不安定な和音から最後の安定した和音へ移行して終わるような流れになっています。 短調の場合は、 最後から2番目の和音には長調の和音が用いられることが多くあります。 短調の和音の振動比は
ですが、 長調の和音の振動数比は
です。 短調の中に長調の和音が入ると違和感が生じるのではないかと思われるかもしれませんが、 そんなことはなく極めて自然な流れになります。 長調の場合は、 最後から2番目の和音はセブンコードの和音が用いられることが多くあります。 セブンコードは和音の基音よりも半音下の音が混じった不協和音なのですが、 それが最後から2番目に使われると、 不安定から安定へと移行して満たされた終了を得ることができます。
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