青色発光ダイオード
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2014.11.10


  月や太陽に、 白、 黄、 赤 はあっても、 青 はありません。 文学的には「 蒼い月 」は存在しますけれども、 実際に青色に輝く月を見た人は幸せになるという伝説があるくらいです。 当時一般的でなかった LDE( light emitting diode )も 1970 〜 80年代 にかけて、 研究者の間では、 青色に輝く物が盛んに求められた時代がありました。

  ダイオードは、 P型半導体 と N型半導体 が接合された「 PN接合 」で構成されています。 ダイオードは、 元々は整流子( 電気を一方向にしか流さなくさせる部品 )として用いられていましたが、 最近では、 太陽電池 や LDE としても用いられています。 P型半導体は、 原子の共有結合に必要な電子が不足していて、 シリコン原子の中に少し混じっているホウ素原子はマイナスに帯電しています。 逆に、 N型半導体には、 原子の共有結合にあずからない余分な自由電子が存在し、 シリコン原子の中に少し混じっているリン原子はプラスに帯電しています。

  P型半導体の電位がN型半導体の電位よりも高くなるように電圧をかけてやると、 自由電子が N型半導体 から P型半導体 へと移動し、 電流が流れます。 N型半導体 から P型半導体 へ移動してきた自由電子が、 原子の共有結合に参加すると、 元のエネルギー準位よりも低くなり、 そのときに電磁波が発生します。 これが可視光線である場合に、 このダイオードはLDEとして用いることができるのです。 その電磁波の振動数を決めるのは、 LDEチップに配合する ガリウム や 窒素 や インジウム や アルミニウム や リン などの化合物です。 光の3原色である 赤 と 緑 の光を放つLDEは 1960年代 から作られていましたが、 残る青色の光を放つLDEがなかなかできなかったのです。

  きれいな青色を発光させるためには窒化ガリウムを使用すべきであることを確立したのが、 赤崎勇さんと天野浩さんであり、 窒化ガリウムの結晶を作成する装置を発明し、 実用的な青色のLDE( 青色発光ダイオード )の製造法を確立したのが、 中村修二さんです。 中村修二さんは、 愛媛県の佐田岬半島の青い海がきれいな漁村に生まれ、 徳島大学を経て日亜化学工業に入り、 1990年代 に偉業を達成して、 今回のノーベル物理学賞に輝きました。