直流発電機 と 直流モーター は同じもの
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2011.07.28


  梅雨が明け、 今年も高校野球の地方大会にやって来た。 球場が近づくにつれ、 学生たちの声援やブラスバンドの音が大きくなってくる。 あの頃に戻ったようだ。 入場料を払って四角いトンネルを抜けると、 眩しいダイアモンドの中の球児たちが、 全力疾走でプレーしている。 発光ダイオード( LDE )を使った電光式のスコアボードには、 毎回スピードガンによる投球速度が表示されるが、 炎天下でもはっきりと見える。 外野席には4本の高い鉄塔が建てられており、 その1つ1つにおよそ50個の照明灯が取り付けられて、 昼間の光に似たカクテル光線を放てるようになっている。 また、 2階の内野席の上のひさしにもたくさんの照明灯が架設されている。 落雷などによる停電に備えて、 このスタジアムには3塁内野席の下に自家発電機が設置されているが、 到底グラウンドの照明まではまかなえまい。


  発電機は、 電磁誘導の原理を利用している。 電磁誘導とは、 磁場の変化によって導体に電流が生じる現象である。 簡単な発電機の作り方を紹介しよう。 導線を四角い輪にしたものを、 図のような断面をした導体の軸に差し込んで、 バネ板の電極で軸を両方からそっと挟み、 電極を豆電球を介する導線でつなぐ。 また、 導線の四角い輪の左右には、 S極とN極の磁石を置く。 軸を固定し、 軸にヒモをくるくるっと巻きつけたら一気にひもを引っぱって軸を回転させる。 すると、 導線の四角い輪の中の磁場が相対的に変化して、 導線の四角い輪の中には交流電流が生じ、 その影響で、 豆電球を介する電極の間には直流電流が生じ、 豆電球が点灯する。

  軸の断面図 :
      

  この発電機を真上から見た模式図 :
        


  直流の発電機は、 モーターでもある。 その証拠に、 豆電球の代わりに電池をつけると、 軸が回転する。 つまり、「 直流発電機 & 直流モーター 」は、 運動エネルギー と 電気エネルギー との両方向への変換装置なのである。 モーターの原理はローレンツ力である。 ローレンツ力とは、 磁場の中を運動する荷電粒子が受ける力のことである。 電磁誘導は、 右手フレミングの法則によって、 電流の方向を求め、 ローレンツ力は、 左手フレミングの法則によって、 導体に作用する力の方向を求めるのだが、 高校の頃「 右手うじでん、 左手ちじでん。」と言って覚えたものである。「 右手う( 母指 )」を「 左手ち( 母指 )」と同じ向きにして、 かつ、「 右手じ( 人さし指 )」と「 左手じ( 人さし指 )」とを同じ向きにすると、「 右手でん( 中指 )」は「 左手でん( 中指 )」と反対向きになる。 つまり、 磁場の中で導体に電流を流すと、導体に力が作用して運動を開始するのだが、 それによって生じる誘導起電力は電流を止める方向に働くのである。


  ベースボール用語を日本語訳し、 野球の普及に一役を果たしたのは、「 柿食へば 鐘が鳴るなり 法隆寺 」で有名な、 明治時代の歌人 正岡子規 である。 彼の故郷には、 時々プロ野球の試合も行われる立派なスタジアムがあるが、 そのスタジアムには、 この町で彼と交流のあった夏目漱石の小説の名前が付けられているので、 正岡子規 と 夏目漱石 を混同している県民も結構いる。


( 補 足 )