短期金利 と 長期金利 と 信用創造
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2025.04.18


 現在では商品貨幣から信用貨幣の時代になっています。一般的に、都市銀行は必要な時に日銀当座預金から紙幣を引き出します。そのとき紙幣は日銀が印刷します。紙幣は現金通貨です。通貨とは流通貨幣のことです。通貨には現金通貨と預金通貨とがあります。都市銀行が日銀当座預金から紙幣を引き出すと、預金通貨は減小しますがその分だけ現金通貨が増加します。

 短期金利は「無担保コールレート(オーバーナイト物)」( 都市銀行同士の一日間の資金貸借の金利 )と考えて差し支えありません。それは日銀が決める政策金利です。短期金利を下げると市場に出回る通貨量が増大して好景気になりやすくなります。これを金融緩和と言います。政策金利には、他に日銀当座預金の金利があります。長期金利は 10 年物国債の最終利回りと考えて差し支えありません。長期金利は短期金利の影響を受けます。増税による需要抑制がなければ、短期金利を下げると長期金利は上がります。長期金利は好景気に比例しますが、好景気に逆行する力があります。これは、バネの縮もうとする力がバネの伸びに比例するのに似ています。もし、次の次のステージのことを心配して「 バネの縮もうとする力を増やすことは、バネを縮めることになるので、けしからん。」とバネが縮んでいる時期に唱えたなら、バネは伸びることができません。経済もバネと同様に振動するものであり、振動させなければ経済は成長しないのです。ただし、投資よりも投機にたよる経済では振動によりバブル崩壊の恐慌が来ますので注意が必要です。

     ※ 参照: 経済学と物理学 > マイナスになった国債の最終利回り

 国債市場には、発行市場と流通市場があります。
 発行市場では、国債を入札購入した都市銀行の日銀当座預金はその分減額されます。政府は、公共事業委託事業者の都市銀行預金に帳簿上の送金をします。ここまでの通貨の流れをみると、国債を入札購入した都市銀行の日銀当座預金から公共事業委託事業者の都市銀行預金へと預金通貨が移動したことになります。公共事業請負事業者は、都市銀行預金から紙幣を引き出して、公共事業をします。そうすると、預金通貨は減小しますがその分だけ現金通貨が増加します。ここまでの過程では新たな通貨は誕生していません。
 流通市場では、都市銀行や機関投資家や日銀が活動します。国債の利子は国債を保有している都市銀行や機関投資家のゆうちょ銀行貯金へ政府が振り込みます。日銀が国債を購入すると、それを売却した都市銀行の日銀当座預金はその分だけ増額されます。このことを信用創造と言います。信用創造によって新たな預金通貨が生まれます。政府は日銀に対しても国債の利子を振込み満期償還をしますが、これらは国庫納付金として再び政府に戻ってきます。政府が都市銀行や機関投資家への国債の利子の支払いや満期償還を少なくしようと思えば、日銀がそれらを買い取ればいいのです。ただし、その時は信用創造によって新たな預金通貨が生まれます。もちろん信用創造は貨幣価値低下を起こす力になるので、そこは徴税量を変動させて調節します。徴税量の調節( 調税 )の役割は、第1に需要調整であり、第2に分配の公平化です。