電気調理器の新分類法
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2011.07.01


  電気エネルギー を 熱エネルギー に変換して調理を行う電気調理器は、 そのしくみによって次のように分類することができます。

 抵抗加熱
    コイル状のニクロム線など電気抵抗の大きい金属の発熱を利用した電気器具。
    作用 : 火力のような、 煮る、 焼く。
    調理器具名 : 電熱器、 電気ポット、 電気ケトル、 ホットプレート、 グリル鍋 など。

 誘導加熱
     コイル状の導線に交流を流すと、 時間と共に変化する磁場ができ、 それが温度を
    上げたいと思う金属内に渦電流を起こし、 その金属自体の抵抗加熱が起こる。
    作用 : 火力のような、 煮る、 焼く。
    調理器具名 : 電磁調理器( IHクッキングヒーター )

 赤外線加熱
     コイル状のニクロム線を石英ガラスのパイプに通した構造のものなどに電気を流し
    て、 電気をまず 近赤外線 ・ 遠赤外線 の電磁波に変換し、 それを使って食品の分子
    の振動を活発にさせる。 赤外線は食品の表面付近を加熱する。
    作用 : あぶり焼く
    調理器具名 : 遠赤外線電気グリル   オーブントースターは を兼ねる

 マイクロ波加熱
     電気を マイクロ波 という赤外線よりもさらに波長の長い電磁波に変換し、 それを使
    って食品の中の水を主とする分子の振動を活発にさせる。 中から均一に温まる。
    作用 : 蒸すような 加熱
    調理器具名 : 電子レンジ



  温度 は同じようなものですが、 ちょっと違います。 熱を加えても温度が変化しない場合があります。 たとえば、 シャーベット状になった水に熱を加えても、 温度は 0℃ のままで、 シャーベットが水っぽくなるだけです。 熱と温度の違いとはいったいなんでしょう。 温度は、 物体の寒暖を表す量です。 一方、 熱は、 物体の温度を変化させたり、 物体の3状態( 個体 ・ 液体 ・ 気体 )を変化させたりすることのできるエネルギーです。 熱とは、 熱平衡( 系内での熱の移動がない状況 )下の分子の運動エネルギーと位置エネルギーの総和であり、 相対論の言う「 静止エネルギー = 静止質量 」の構成要素です。 静止エネルギーには、 熱エネルギーの外に、 化学エネルギー や 核エネルギー があります。 温度とは、 熱平衡下の熱エネルギーをエントロピーで微分したものです。 エントロピーとは、 熱の拡散の程度を表す量です。 気体の場合は、 温度は分子の平均運動エネルギーに比例します。