濁りの少ないグレイ
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2013.02.23
窓側から撮った室内の写真では、 レンズから遠いものほどグレイの度合いが強くなるそうです。
「 光の色 」ではなく「 絵具の色 」のときにのみ登場する色彩学用語は、 清色 と 濁色 です。 これらは、 純色( 各色相において彩度と明度が最も高い色 )に 無彩色( 白 〜 灰色 〜 黒 ; 白は相対的明度が著明に高い無彩色であり、 黒は相対的明度が著明に低い無彩色である。)を混合し、 彩度を低くした色のことで、 鮮やかさが少ない色のことです。 清色とは、 白の絵の具または黒の絵の具どちらかを混ぜた色のこと( 白を混ぜれば明度の高い 明清色 で、 黒を混ぜれば明度の低い 暗清色 です。)で、 濁色とは白かつ黒を混ぜた色のことです。 光の色の場合は、 白の光を加えると白になり、 黒の光を加えると何も変化せず、 灰色の光を加えると、 その灰色の度合いが白に近いほど、 鮮やかではない「 淡い 」色になります。 光の色に限らず絵具の色でも、 淡い色は一般に明度は高くなります。
冒頭の「 グレイの度合いが強くなる 」というのは、「 灰色の明度が低下して黒に近くなる。」ということではなく、「 色の明度が下がる 」と共に「 色の彩度が下がる( くすむ )」という意味で使われています。 透明水彩画では、 濁色を作るのに、 純色に白と黒の絵の具を混ぜるようなことはせず、 24色の絵の具のうちの2色( 3色のときもある )を混ぜて作るそうです。 CMYKモードの24色相環の反対側に位置する二色( 補色 )を混ぜると、 自然に見える彩度の少し低い新たな色相を作ることができるそうです。( CMYKモードの24色相環には、 シアン、 マゼンダ、 イエロー の色相が入っていますが、 24色水彩絵具には、 それに近い色相はあるものの、 それらの色相は入っていません。)純色に白と黒の絵の具を混ぜたり、 たくさんの絵の具を混ぜたりすると、 彩度が低下しすぎて、「 くすむ 」ことを嫌う透明水彩画にはふさわしくないらしいのです。 透明水彩画では、 絵の具の水溶液の濃度( 薄い 〜 濃い )を用いることができます。 透明水彩画では、 くすみの強い濁色( 彩度の低い濁色 )を使用せずに部屋の奥行を表現するために、 この手法が用いられています。 背景の手前には薄い色が使われることが多いようですが、 透明水彩画の「 薄い色 」は淡い色で明度の高い色になります。 一方、 背景の奥に用いられやすい「 濃い色 」は透明度が低くて明度の低い色になっています。 透明水彩画では、 水彩紙が反射する白い光もまた色の構成要素になっているのです。