8 たす 5 は 12
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2015.10.27


  長い階段の途中で止まっているとします。 ここで「 8段上がってください。」と言われると、 1、 2、 3、 ・ ・ ・ ・ と数えて8の所まで行きます。 最初に止まっている所を第0段と考えるのです。「 さらに5段上がってください。」と言われると、 第13段の所まで行きます。 したがって、 8 + 5 = 13 です。

  しかし、 ドレミファソラシドの音の階段では、 単位は「 段 」ではなくて「 度 」になり、 また数え方も変わります。「 8度上がってください。」と言われると、 2、 3、 4、 ・ ・ ・ ・ と数えて8の所まで行きます。 最初の音階を第1度と考えるのです。「 さらに5度上がってください。」と言われると、 最初のドの音よりも1オクターブ高いソの音になります。 ドの音に対して1オクターブ高いソの音は12度高い音です。 したがって、 8 + 5 = 12 です。


長調のドレミファソラシドの純正調での振動数比は次のようになっています。

     ド  レ  ミ  フ  ソ  ラ  シ  ド
     24 : 27 : 30 : 32 : 36 : 40 : 45 : 48

5度の和音の振動数比
     ド : ソ = 2 : 3        ( 半音 0.5 × 7 )
     レ : ラ = 27 : 40        ( 半音 0.5 × 7 )
     ミ : シ = 2 : 3        ( 半音 0.5 × 7 )
     ファ: ド = 2 : 3        ( 半音 0.5 × 7 )
     ソ : レ = 2 : 3        ( 半音 0.5 × 7 )
     ラ : ミ = 2 : 3        ( 半音 0.5 × 7 )
     シ : フ = 45 : 64        ( 半音 0.5 × 6 )

4度の和音の振動数比
     ド : フ = 3 : 4        ( 半音 0.5 × 5 )
     レ : ソ = 3 : 4        ( 半音 0.5 × 5 )
     ミ : ラ = 5 : 6        ( 半音 0.5 × 5 )
     フ: シ = 32 : 45        ( 半音 0.5 × 6 )
     ソ : ド = 3 : 4        ( 半音 0.5 × 5 )
     ラ : レ = 20 : 27        ( 半音 0.5 × 5 )
     シ : ミ = 3 : 4         ( 半音 0.5 × 5 )

3度の和音の振動数比
     ド : ミ  = 4 : 5        ( 半音 0.5 × 4 )
     レ :フ = 27 : 32        ( 半音 0.5 × 3 )
     ミ : ソ  = 5 : 6        ( 半音 0.5 × 3 )
     フ : ラ = 4 : 5        ( 半音 0.5 × 4 )
     ソ : シ = 4 : 5        ( 半音 0.5 × 4 )
     ラ : ド = 5 : 6        ( 半音 0.5 × 3 )
     シ : レ = 5 : 6         ( 半音 0.5 × 3 )


  バイオリンの弦は4本で、 低い弦から順に、 G、 D、 A、 E となっており、 隣合う弦の音の高低差は5度になっています。 バイオリンが一番よく響くと言われるニ長調では、 音名 G、 D、 A、 E は、 それぞれ 階名 ファ、 ド、 ソ、 レ になっています。 フ : ド = 2:3 、 ド : ソ = 2:3 、 ソ : レ = 2:3 です。

  一方、 ハ長調では、 音名 G、 D、 A、 E は、 それぞれ 階名 ソ、 レ、 ラ、 ミ になっています。 ソ : レ = 2:3 、 レ : ラ = 27 : 40、 ラ : ミ = 2:3 です。 しかし、 バイオリンは、 G : D = 2:3 、 D : A = 2:3 、 A : E = 2:3 に調弦されていますので、 ハ長調の場合、 レ と ラ の音の高低差が純正調から少しズレていることになります。 ここのところが、 バイオリンにおいては、 ハ長調よりもニ長調の方が良く響く理由になっています。