脱水にならないためのしくみ
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2025.06.29
生命維持にとって最も大切なことは、マクロ的には血液の流れが隅々まで保たれることであり、ミクロ的には水分( 体の 60% は水でできています )が体の隅々まで保たれることです。
人体は、必要水分量の 90% を飲水や食物から取っていて、残りの 10% は自分で作っています。例えば、ミトコンドリア内で行われる体を動かすためのエネルギーを作る過程である、生物学的呼吸では、水が生成されます。また、人体は不要な水分の 50% を皮膚からの汗として排泄し、30% を尿として排泄しています。1日の排尿量は 1,000 〜 1,500 mL 程度と言われますので、体内から1日に排泄されている水分量はおよそ 4,000 mL ということになります。
水分不足になると、体内で水がたくさん作られるようになるかと言えば、そうではなく、基本的には飲水活動が活発になって外から水分を補充するようになっています。しかし、なんらかの条件があって飲水活動ができなくなった場合はどうなるのでしょうか? その時は、脳からバゾプレッシンというホルモンが多量に分泌されるようになります。それでもだめなら、皮膚は汗をかくことを抑制するようになります。( 発汗抑制下で高熱環境に長くいると熱中症になります。) その上に、水分を喪失する原因となる筋肉活動を抑えて、肝臓活動を活発にします。
肝臓活動が活発になると、蛋白質が分解されて老廃物の尿素がたくさん作られます。この尿素は腎臓で排泄され尿の一部となりますが、そのときにバゾプレッシンと同じ作用を担います。つまり、腎臓に作用をして尿量を少なくするのです。したがって、尿は濃くなり尿素の濃度が高まります。尿素の一部は肝臓で核酸の分解物であるプリン体と結合して尿酸となり尿から排泄されますが、尿中の尿素の濃度に比例して尿中の尿酸の濃度も増加します。すると、腎結石ができやすくなります。
以上、いろんな危険性にさらされることを覚悟の上で、人体には絶対に脱水状態だけは避けたいとするしくみが備わっているのです。脱水ほど怖いものはありません。水分をこまめに取りましょう。
資本主義国家の存続にとって最も大切なことは、マクロ的には商品とお金の流れが隅々まで保たれることです。商品流通量は通貨量( 流通する貨幣の量 )に比例します。もし、通貨量が減った場合( デフレになった場合 )、国家を牽引する政府はどのようにして通貨量を増やすのでしょうか? 外国から自国の貨幣を集めてくることはそんなにできませんが、政府はどんどん自国の通貨を作ることができるのです。それを思うと、飲水不可能な脱水状態の人に比べると、通貨不足の国家の政府は深刻ではないと言えます。
資本主義国家の存続にとって最も大切なことは、政府の財政が黒字になることではありません。商品とお金の流れが隅々まで保たれることです。もし、脳に行く血液量が減少すれば、血圧を上げてでもどうにかして脳に血液を送るよう、私たちの体は反応するのですが、「 高血圧は体に良くない。」という「 正論 」をぶつけて脳への血液供給を阻止するように振る舞う人があるとするならば、その人は、生命の維持を望む人にとっては邪魔者になります。