超伝導体( 超電導体 )
電気と物理学 へ戻る
ばいおりんの日常的物理学文集 へ戻る
2012.02.23
金属は絶対温度0まで冷やすと電気抵抗が0の超伝導体になりますが、金属のイットリウム( 原子番号39 )を主成分とする物体は、−196℃( 絶対温度77度 )以下でも超伝導体になります。このような物質を高温超電導体と言います。
超伝導体に強力な磁石を近づけようとすると、反発されます。しかし、これに抗してもっと近づけていくと、あるところで、ピタッと止まります。反発されながら引き寄せられているとでも言いましょうか、まるで磁石は宙に浮いているようです。そこから磁石を近づけようとしても引き離そうとしても抵抗されます。これは「 ピン止め効果 」と言われています。超伝導体が磁石になっているわけではありません。超伝導体は完全反磁性体であると言われます。超伝導体は、その内部において磁石が作っている磁場をゼロにしています。これは「 マイスナー効果 」と言われます。すると、超伝導体から磁石には反発力が働きます。この反発力に抗して磁石をさらに近づけていくと、超伝導体の周辺の磁場が次第に強くなっていきます。そして、ある臨界値を超えますと、超伝導体に、超伝導になりきれなくなった部分、つまり、常伝導相が出現し、そこには磁場が存在するようになります。これが「 ピン止め効果 」のときの超伝導体の状況です。「 マイスナー効果 」や「 ピン止め効果 」で、なぜこのような力が作用するのかについては、量子力学の分野で解明されようとしています。
リニアモーターカーにも超伝導が利用されています。というと、「 ああ、なるほど車両が浮くしくみだな。」と思われるかもしれませんが、それは違います。あれは、磁力と重力との吊り合いによるものです。リニアモーターカーのモーターのコイルは高温超電導体でできています。超電導モーターのしくみをモデル的に述べると次のようになります。電磁石となるコイルは小さなもので、次の反対巻きのコイルへと繋がっており、それはまた、そのまた反対巻きに巻かれたコイルに繋がっており、・ ・ ・ ・ というふうになっており、これらの小さなコイルたちは横に並べられ全体でキャタピラーのような輪を形成しています。その隣には、その輪と同じ大きさの回転円筒が配置され、その円筒の側壁にはS極とN極が交互に逆向きになるように並べられた永久磁石がたくさん張り付けられています。そしてそれらは液体窒素で満たされた円筒の中に収められています。コイルの導線に交流を流しますと、コイルの両端になっている所は、時間的空間的に交互にS極とN極に変化しますので、その隣の空間的に交互にS極とN極に配置された永久磁石たちが、引き寄せられたと思ったら反発され、反発されたと思ったらまた次のコイルに引き寄せられ、・ ・ ・ ・ で回転するようになっています。これは、リニアモーターカーが側壁の電磁石によって加速されるしくみと同じです。