超音波エコー検査
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2022.01.06____
超音波は音の一種ですが、周波数が高すぎて人間の聴覚では感知できません。しかし、イルカやコウモリは聞き取ることができます。超音波は、可聴音に比べて回析効果が少なく、直線性・指向性に富んでいます。特に水中で。
超音波エコー( 断層法 ) は、固有音響インピーダンスの差のあるところから反射して帰ってきた超音波を解析して断面図を作ります。固有音響インピーダンスの差が大きければ大きいほど、そこで反射する超音波の直進する超音波に対する割合が大きくなります。固有音響インピーダンスとは、物質固有の 「 音( 振動 ) の伝導に対する抵抗 」 のことで、密度に比例しています。超音波を発射して何秒後に反射波をキャッチしたかによって、反射した場所の深さが分かります。エコーは、やまびこや反響を表します。
超音波エコー( 断層法 ) は、超音波の水中での指向性の強さを買われて、太平洋戦争中に米軍が日本海軍の体当たり自爆用の小型潜水艦 ( 人間魚雷 ) を発見するために開発されました。そして、戦後は主に魚群探知機として使用されています。
超音波エコー( 断層法 ) の医療への応用は1950年頃になります。人体も水分に富んでいるからです。当初は人を水中に沈めてから断面図を得るものでした。また、心臓のように動きの激しい臓器の断面図をリアルタイムに作ることは出来ませんでした。日本では、1976年の5つ子の胎児の診断が臨床医学における最初の報告です。その後、超音波エコー( 断層法 ) の技術が飛躍的に進歩し、鮮明な人体断面図が得られるようになって、胎児の性別が早いうちから判断できるようになりましたし、往診時に携帯することもできるようになりました。
参照: 大学生のための物理学 > 基礎物理学 > 音響インピーダンス