エントロピー増大の法則
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2024.10.27


 局所系を限局的外界が包んでいます。限局的外界はそれを包んでいるさらなる外界とはエネルギー伝達をしません。局所系の温度を T1 とし、限局的外界の温度を T2 とし、 T1 > T2 とします。

 放っておくと、熱は局所系から限局的外界へと移って温度は等しくなり、局所系と限局的外界のエントロピーの合計は増大します、そしてこの過程は一方通行で元に戻ることはありません。( 不可逆性 ) このことを「 熱力学の第2法則 = エントロピー増大の法則 」と言います。

 等温になる過程の最初の一部分を考えます。局所系が限局的外界へ熱量 凾p を渡したときに変化する局所系のエントロピーを 凾r1 とします。限局的外界が局所系から熱量 凾p を受け取ったときに変化する限局的外界のエントロピーを 凾r2 とします。

   凾p = T1 凾r1    凾p = T2 凾r2
   したがって、 T1 凾r1 = T2 凾r2
   したがって、 凾r2 / 凾r1 = T1 / T2 > 1
   したがって、 凾r2 > 凾r1

 凾r1 は減少分であり、凾r2 は増加分です。したがって、系全体としてのエントロピーの増加分は、 凾r2 − 凾r1 となって、 凾r2 − 凾r1 > 0 であることがわかります。

※ 物質に外から熱が入ってくる場合は、その物質のエントロピーは増加し、物質から熱が逃げていく場合は、その物質のエントロピーは減少します。しかし、物質に外から熱が入ってくる場合は、その物質の温度は必ずしも上昇するとは限らないし、物質から熱が逃げていく場合も、その物質の温度は必ずしも低下するとは限りません。なぜなら、物質が気体だった場合、物質が接触している他の物質に対して仕事をして内部エネルギーが減少したり、物質が接触している他の物質から仕事をされて内部エネルギーが増加したりすることがあるからです。