円安とインフレは違う
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2025.05.16
1か月前には 1ドル = 100円 だったのが、今日は 1ドル = 120円 であるとすれば、この1か月間で円安になったということです。円安とは、ドルに対する円の価値の低下のことであり、1円と交換できるドルの価格が低下することを言います。円 と ドル は需要供給関係でその相対的価値が変動します。1か月毎にみたときに 円 と ドル の需要供給関係に最も影響を与えるのは、金利です。米国の長期金利から日本の長期金利を引いた値が時間の経過とともに上昇すると、円安になります。
円安ドル高によって収益が上がるのは、輸出企業 と 政府 です。円安になると輸出企業は 売り上げ量(数)と 売上高(円)ともに上昇します。政府は、輸出企業からの法人税収入が増大し、輸入商品の値上がりによる物価高によって消費税収入が増大します。また、為替レート介入による円売りドル買いで獲得したドル や 購入している外国債の利子や償還で獲得するドル の円換算価格が増大し、資産が増大します。
インフレとは、商品に対する円(貨幣)の価値の低下のことであり、1円と交換できる商品の価値が低下することを言います。いわゆる物価上昇です。インフレの原因には、総需要が総供給を上回ること や 円安による輸入商品価格の上昇 や 現金通貨量の過剰増加 などがあります。
「 円安になったから円の価値が下がってインフレになっている。」という見解は間違いです。円安 と インフレ の間には相関関係はありません。