インフレーション
経済学と物理学 へ戻る
ばいおりんの日常物理学文集 へ戻る
2011.09.08


  137億年前にビックバン( 大爆発 ) によって、 体積 ゼロ から始まった宇宙は、 今も膨張を続けているそうです。 ビックバンが起こってから に、 とりわけ膨張スピードの大きい、 加速度的爆発的膨張が起こったとされ、「 宇宙のインフレーション 」と言われています。 インフレーションとは、 経済学の言葉であり、「 膨張 」や「 持続的な増大 」という意味合いはあれ、「 加速的爆発的な増大 」という意味合いはありません。 したがって、 正確には、「 宇宙の加速的爆発的インフレーション 」と言わなければならないのではないでしょうか。 それはともかく、 本来、 「 インフレーション 」とは「 物価( ある時点での商品の平均価格 ) の持続的な上昇 」のことです

  価格とは、 商品がどれだけの貨幣の量と交換されるのかを表す経済学的量です。 貨幣の量の単位は 円 です。

  投機は例外ですが、 自分が購入した商品の目的は、 その消費です。
自分が作った商品の目的は、 貨幣を手に入れるためです。
商品は最終的に消費されますが、 貨幣は永久に消費されません。

 「 の貨幣 」は、「 の価格 」を持つ商品を、 横取りされることを希望する他人から、 横取りすることができる権利を持っているという権利書です。 ただし、 その権利を行使する場合には、 必ず、 横取りされる人にその権利を献上しなければなりません。 その裏付けとして、 権利書 「 の貨幣 」をその人に献上しなければなりません。

 「 の金( きん )」という商品は、 物価と等しい の価格を持つものとします。 そのとき、 金(きん) は「 貨幣の価値 」を表します。 は、 金の質量をその金の価格で割ったものであり、 1円 の貨幣と交換される金の量です。

  の値を政治的に規定できる経済のしくみを金本位制( 固定相場制 ) といい、 そうでない経済のしくみを変動相場制といいます。 金本位制では、「 金( きん )」が本来の貨幣であり、 持ち運びしやすいように普段は一般的な貨幣が金の代行をしています。 金(きん)は簡単に作れませんので、 金本位制では政府が紙幣をどんどん印刷して国の予算にしたりすることはできない仕組みになっています。 一方、 変動相場制においてはそういうことが可能になりますので、 流通貨幣( 通貨 ) の量の増大による本質的インフレーションが起こることがあります。 というかそういう政策がとられることがあります。


  1871年( 明治 4年 )   「 新貨条例 」
                  金 1.5g = 1 円  1 ドル ≒ 1 円

  1884年( 明治17年 )  銀本位制確率

  1894年( 明治27年 )  1ドル ≒ 2円

  1897年( 明治30年 )   「 貨幣法 」   金本位制( 固定相場制 ) 開始
                        金 0.75g = 1 円

  1917年( 大正 6年 )  金本位制停止 → 変動相場制へ

  1929年( 昭和 4年 )  3ドル ≒ 1 円

  1930年( 昭和 5年 )  金本位制再開
                  金 0.75g = 1 円   2ドル ≒ 1 円

  1931年( 昭和 6年 )   金本位制廃止    変動相場制へ

  1957年( 昭和22年 )   IMF体制確立 ( 世界的固定相場制の死守 )
                      ドル貨幣価値
                     ( 外国通貨当局の要請に対してのみ )
                      
                      したがって、 貨幣価値

  1971年( 昭和46年 )   ニクソンショック ( 世界的固定相場制の廃止 )
                変動為替相場制への移行  貨幣価値の不明瞭化へ
                日本はインフレ政策へ

  1979年( 昭和54年 )   日本での譲渡性預金( コマーシャルペーパー ) 発行開始
                オープンマネーマーケットが誕生   金融自由化へ

  1981年( 昭和56年 )   米国、 レーガノミックス 開始
                  高金利デフレ政策( インフレ ・ 財政赤字 対策 )
                         
                      海外資金の米国流入
                          
                         ドル高    産業の空洞化の進行
                          
                         貿易赤字

  1984年( 昭和59年 )        

  1985年( 昭和60年 )   G5 プラザ合意   ドル安・円高 誘導
                日本はこれに対抗しインフレ政策へ  バブル経済発生

  1986年( 昭和61年 )        

  1990年( 平成 2年 )   バブル崩壊始まる
               金融緩和によるインフレ誘導作用が低下する
               日本の消費者物価指数の長期的横ばいの始まり
               なお、 米国の消費者物価指数は10年間で45%
               ずつ増加し続けている

  2011年( 平成23年 )        



インフレーション の原因は、 大きく2つに分類されます。

   商品要因のインフレ( 一時的表面的インフレ )

     a) 需要インフレ
        1973年( 昭和48年 )、 オイルショック による需要の供給に対する相対的過
       剰状態が継続し、 物価が継続的に上昇しました。 当時は、 マネーサプライといわ
       れる、 法人・個人・地方公共団体がいつでも使用できるようにと保有している貨幣
       の量も多く、 また、「日本列島改造論 」というインフレ政策に重なったため、 著
       明なインフレになりました。
        あの頃は、 親父のベースアップもすごかったなあ。 春闘で毎年、 国鉄が止まっ
       ていたなあ。 その後、 昭和55年頃からは、 大学生でも、 バストイレ付きマン
       ションで、 テレビや電話のあるお部屋で暮らすようになりました。 しかし、 この頃
       にはもう、 スタグフレーション( 不況下での好景気を引き起こさないインフレ )
       という言葉が流行していました。
        不況とは、 供給の需要に対する過剰状態のことです。 この時は、 資本金( 生
       産のために交換される貨幣 ) が 生活金( 消費生活のために交換される貨幣 )
       に対して過剰状態になっています。

     b) コストインフレ
        たとえば、 原油高騰が継続すると、 物価が上昇します。 この時は、 円高は 抗
       インフレ作用 をします。

     c) 資産インフレ
        マネーゲーム( 投機 と 実態とかけ離れた資産価格 のいたちごっこ ) の盛ん
       なバブルの頃です。 4千万円で購入したマンションは、 一時的に7千万円になり
       ました。 大阪の病院の患者さんは、 退院時に、 医師に対して万円単位のお礼を
       していました。 バブルがはじけた後は、 マンションは2千万円になりました。

     d) その他


   貨幣要因のインフレ( 本質的インフレ )

      通貨の量の増加によって通貨の価値が低下することよる、 相対的物価上昇です。
      次のような、 貨幣数量説の中にフィッシャーの交換方程式というのがあって、 この
     式によると、 物価は貨幣量に比例しています。 なぜ、 流通速度 と 取引量 が一定
     なのかは、 私には解りません。

         

     a) 政策的インフレ
        内需拡大のために、 国債を発行したり、 公開市場操作によって公定歩合を引
       き下げたりして、 金融緩和をすると、 流通貨幣量が増大します。
        バブル経済が崩壊した後、 さらに国債発行額は増大しています。
        好況の時は金融緩和が即インフレにつながりますが、 不況のときは金融緩和
       がなかなか流通貨幣量増大につながらずインフレが起きにくくなっています。

     b )その他