容疑者X の選択
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2013.01.20____


  ある犯罪の容疑で 共犯の X と Y が逮捕され、 これから1か月間という期限つきで、 拘束され毎日厳しい取り調べが行われようとしています。 2人が口裏を合わせぬよう、 別々の施設に拘束されます。 そして最初に、 次の懲役表が2人に提示されます。


      容 疑 者 Y の 選 択

    自   白

    黙   秘

 

 容

 疑

 者

 X

 の

 選

 択


 自

 

 白


X : 懲役 5か月


Y : 懲役 5か月



X : 釈放


Y : 懲役 11か月



 黙

 

 秘


X : 懲役 11か月


Y : 釈放



X : 釈放


Y : 釈放




 容疑者X による したたかな計算 :
  容疑者Y が自白する確率を とし、 自分が自白する確率を とするとき、 自分が刑期を含めて拘束される長さの期待値 とします。 すると、 次の式が成り立ちます。 なお、 自白したとしても取り調べ中の1 か月間は拘束され、 その直後に懲役刑が始まるとします。
    
  から の間のどんな実数をとろうとも、 が最小になるのは、 から の間の値をとり得る のときです。


 容疑者Y による したたかな計算 :
  容疑者X が自白する確率を とし、 自分が自白する確率を とするとき、 、 自分が刑期を含めて拘束される長さの期待値 とします。 すると、 次の式が成り立ちます。 なお、 自白したとしても取り調べ中の1 か月間は拘束され、 その直後に懲役刑が始まるとします。
    
  から の間のどんな実数をとろうとも、 が最小になるのは、 から の間の値をとり得る のときです。


 のとき、 より、  になります。
ちなみに  のときは、 より、  になります。
また、  のときは、 より、  になります。

  このように、 もし2人が口裏を合わせることができるのであれば、 決して2人とも自白することはありません。 しかし、 以上のようなゲーム理論により、 2人とも自白することになるのです。 これは 「 囚人のジレンマ 」 と言われています。

 ※ 参照: 確率 > 囚人のジレンマについて考える