(1) 偶力だけは合成できない
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剛体に作用する力の合成は、 質点に働く力のように単純にベクトル合成をすることができません。 モーメントの要素が加わっているからです。 剛体に作用する力には、 次の3つの性質があります。
剛体に働く力は、 その作用線上では始点がどこにあろうが同一のものである。
剛体に働く力は、 剛体の外に存在する場合もありうる。
剛体に働く力は、 作用点が同じときは、 ベクトル合成が可能である。では、 具体的な力の合成方法を、 図を用いて2つ紹介しましょう。
その1 :









その2 :











偶力とは、 大きさが等しく作用線が平行で逆向きの、 剛体に作用する2つの力のことです。 この2つの力だけは、 合成することができません。 偶力は剛体を回転させる力になります。

偶力を除いて、 剛体内の微小内部部分に作用する力をすべて合成すると、 1つの力になりますが、 それは、「 その力の作用線上の任意の点でその力だけが剛体に作用していること 」と「 剛体内の微小内部部分にいろんな力が作用していること 」とが同義であるということを意味しています。 剛体内の1点に力が作用しているとき、 その力の作用線上に存在しない「 剛体内のある点 」または「 剛体にくっついている架空の空間内のある点 」を固定する( 支点にする )と、 その力は、 力のモーメントを形成して剛体を回転させます。 力のモーメントとは、「 作用点の支点に対する位置ベクトル 」に「力のベクトル 」を外積させたものです。
剛体の重心剛体の重心とは、 一様な重力場の中で、 剛体内の微小内部部分に作用する重力の総ての合力の作用点です。 重心 と 回転中心( 支点 )が一致するときは、 重力だけでは剛体は回転しません。
2質点の重心
は質量を、
は位置ベクトルを表します。 重心の位置ベクトルは次のように表されます。
2つの質点を結ぶ線分を、
側から
の比で2分割する点です。
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