A: 表紙に大きな文字が書かれた本
B: 透明なシンプルクリアファイルの中に画用紙で作った矢印を入れたもの
( アクリル板に矢印を書いたものでも可 )
Aを両手で持って表紙が見えるように胸の前に掲げてもらった後、本の表紙が向こう側になるようにひっくり返して( 垂直な軸を中心に 180°自転 )もらってから、姿見鏡の前に立ってもらい、その人に対して「 鏡は映し出す物を左右反転させますか?」という質問をすると、ほとんどの人が間違って「 はい 」と答えます。その理由は、本の表紙の文字が左右反転していてなんと書いているか読みづらいからです。また、正面から撮ってもらった写真を想像したものと比べるからです。すると、写真の中の右手は左側にあるのに、鏡の中の右手は右側にあることになります。
Bを両手で持って胸の前に掲げてもらった後、姿見鏡の前に立ってもらい、その人に対して「 鏡は映し出す物を左右反転させますか?」という質問をすると、ほとんどの人が正解の「 いいえ 」と答えます。その理由は、手にしている矢印と鏡に映っている矢印とは、左右反転していないからであり、自分の右手も鏡に映った自分の右手も同じ右側にあるからです。

@ 手にした本を垂直な軸を中心に 180°自転させる → 前後反転+左右反転
A 手にした本を水平な軸を中心に 180°自転させる → 前後反転+上下反転
B 回れ右をする = 自分座標系を垂直な軸を中心に 180°自転させる
= 観察対象物を前後反転かつ左右反転させる → 前後反転+左右反転
C 自分が持っている本や自分や背景を鏡に映して見る
= 鏡は映し出す物を前後反転させる → 前後反転
D 他人に正面から撮ってもらった自分の写真を見る
= 前後反転かつ左右反転した相手の座標系での観察対象物は、
自分の座標系における観察対象物に対して、
前後反転かつ左右反転している。
→ 前後反転+左右反転
鏡に移った本の表紙の文字は、本を垂直な軸を中心に 180°自転させる前と比べると、左右反転のみしている。左右反転させたのは鏡ではなく鏡の前のあなたです。
@ + C = ( 前後反転+左右反転 )+ 前後反転 =→ 左右反転
鏡に移っているあなたの背景は、あなたが回れ右をする前に見ていた景色に比べると、あなたよりも前にあることは同じですが、左右反転しています。左右反転させたのは鏡ではなく鏡の前のあなたです。
B + C = ( 前後反転+左右反転 )+ 前後反転 =→ 左右反転
( 注意事項 )
● 鏡の中の像も自分の座標系に乗せてから見なければなりません。
● 自分の座標系において、正面にある物は自分から遠くにあるものほど、より前にあります。
それらがどの方向を向いているかは関係無しです。
「 なぜ、鏡は上下反転させないのに、左右反転させるのですか?」という間違った質問を、真に受けてしまって不思議な感覚に陥ってしまうあなたに。
Aを両手で持って裏表紙が見えるように胸の前に掲げた状態で、正面から写真を撮ってもらいます。その次に、Aを両手で持って裏表紙が見えるように胸の前に掲げた状態で姿見鏡の前に立つと、表紙の文字は普通の文字とは異なり読めません。これを先ほど撮ってもらった写真と比べると、文字は左右反転していて、自分自身も左右反転しています。鏡は映す物を前後反転のみさせ、写真は写す物を前後反転かつ左右反転させます。したがって、2つを比べると、左右反転のみしています。
C − D = 前後反転 −( 前後反転+左右反転 )
=→ −左右反転 =→ 左右反転
※ 左右反転 + 左右反転 = 0 だから
この質問をした人は、以上のように、鏡に映った自分 を 写真に写った自分 と比べて勘違いをしているので、上記のような疑問を持つのです。
参考: 天文学と物理学 > 月の180度平面回転
数学と物理学 へ戻る