ハザードとは人に損害を与える可能性のある現象が起こるリスクのことであり、 ハザード比とは、その原因によってある現象がどれくらい短い期間に発生するようになるかを表すものです。 ハザード比が1未満のときは、その原因によってある現象が発生する時期が延長されていることになります。
進行胃がん患者に対する抗がん剤Aの延命効果について調査します。
抗がん剤Aを持続投与することができた20人 と プラシーボを持続投与することができた20人 の投与開始後から5.01年後までの期間における生存年数(小数点以下は繰り上げ)の結果をまとめました。
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抗がん剤A投与群:
1年 1人 ( 投与開始後1年以内に死亡した人 )
2年 2人 ( 投与開始後1年以上2年未満に死亡した人 )
3年 3人 ( 投与開始後2年以上3年未満に死亡した人 )
4年 3人 ( 投与開始後3年以上4年未満に死亡した人 )
5年 4人 ( 投与開始後4年以上5年未満に死亡した人 )
6年 7人 ( 投与開始後5年以上生存した人 )
プラシーボ投与群:
1年 2人 ( 投与開始後1年以内に死亡した人 )
2年 3人 ( 投与開始後1年以上2年未満に死亡した人 )
3年 4人 ( 投与開始後2年以上3年未満に死亡した人 )
4年 3人 ( 投与開始後3年以上4年未満に死亡した人 )
5年 3人 ( 投与開始後4年以上5年未満に死亡した人 )
6年 5人 ( 投与開始後5年以上生存した人 )
÷ (20−5) / (1×2+2×3+3×4+4×3+5×3+6×5)
≒ 0.758
したがって、「抗がん剤Aは、進行胃がん患者の生存期間を24.2% 延長させる。」と言うことができます。
ハザードとは「 単位時間あたりのイベント発生率 」です。
ハザード = 発生件数 ÷ 観察開始からイベント発生までの時間の総計 です。・・・ @
観察対象になるものは1つではなく多数の物件です。観察対象すべてがイベントを発生するまで観察するのは困難ですので、最長観察期間を設定します。
「 単位時間あたりのイベント発生率 」は観察期間中は一定であると仮定します。( マクロ的解釈です。)
最長観察期間までにイベントが発生しなかったケースについては、「 発生せず、かつ、観察開始からイベント発生までの時間は 最長観察期間 」とします。( 矛盾するようですがそうします。)
最長観察期間までにイベントが発生せず、かつ、なんらかの理由で観察不能になったケースについては、「 発生せず、かつ、観察開始からイベント発生までの時間は 観察開始から観察不能になるまでの時間 」とします。( 矛盾するようですがそうします。)
こうして観察したデーターを @ の式に入力すると、ハザードの値が求まります。
暴露群 と 非暴露軍 に分けて、それぞれハザードを求めます。
ハザード比 = 暴露群のハザード ÷ 非暴露群のハザード です。
ハザード比 >1 の場合は、暴露が原因で「 単位時間あたりのイベント発生率 」が高くなっていることが分かり、ハザード比 <1 の場合は、暴露が原因で「 単位時間あたりのイベント発生率 」が低くなっていることが分かります。
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