貿易風 と 偏西風
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2022.08.06____
大気は平均すると地面と同じ角速度で回転しています。3次元的に移動している ( 対流している ) 大気の一部分 ( 大気団 ) が北上したり下降したりすると、地軸に近づくことになるので、コリオリの力が働き、大気団に回転方向やその逆方向への動きが加わります。
赤道あたりに存在する熱帯大気団 (A)
北緯30度あたりに存在する温帯大気団 (B)
貿易風 ( 偏東風 ) は南下下降するBによって作られ、偏西風は北上上昇するBによって作られます。
まず、Aは北緯30度辺りまで北上しながら上昇します。一方、Bは南下下降します。このとき、 北上によるAの地軸からの距離短縮 ≒ 上昇によるAの地軸からの距離拡大 かつ 南下によるBの地軸からの距離拡大 > 下降によるBの地軸からの距離短縮 になります。したがって、南下下降するBには東から西向きにコリオリの力が働きます。これが西向きに吹く貿易風となります。
北緯30度辺りまで北上しながら上昇したAは上空で冷やされて少し下降しておちついたBになります。おちついたBは続いて南下下降するものと北上上昇するものとに分かれます。北向きに上昇していくBは、 北上によるBの地軸からの距離短縮 > 上昇によるBの地軸からの距離拡大 にて、地軸からの距離が短縮していくので西から東向きにコリオリの力が働きます。これが東向きに吹く偏西風になります。
貿易風が吹いている高度は 8 〜 10 km で、偏西風が吹いている高度は 12 km 付近です。
参考: 大学生のための物理学 > 力学 > コリオリの力(3次元)