長さ
のパイプの中にパイプの長さの
の長さの弦を通して張ったものを 「 シンギングパイプ 」 と言うことにします。 シンギングパイプ の弦をつま弾くと、 ある高さの音が出ます。 それはパイプの中の円柱状の空気 ( 気柱 ) が固有振動するからです。 気中の固有振動 ( たくさんの定状波の集まり ) を作っているのは、 パイプ内の空気の縦波です。


これらの定状波たちが室内の空気を媒体として伝わってきて私たちの鼓膜を振動させるのですが、 次の定状波の振動数が音の高さを決定します。

室内の空気をヘリウムに置換すると、 ヘリウム中の音速は空気よりも速いので、 パイプ内縦波の速さが速くなります。 すると、 定状波たちの振動数は、 式
により、 すべて同じ比率で大きくなります。 したがって、 音質は変化せず音高 ( ピッチ ) が高くなります。では、 ギターをヘリウムで置換された部屋の中でつま弾くとピッチが高くなるでしょうか? ギターのボディーは共鳴体であり、 その中の空気がヘリウムで置換されています。 したがって、 音高 ( ピッチ ) が高くなりそうなのですが、 実際はピッチは変わりません。


空気がヘリウムで置換されても、 弦内横波の速さは変わりません。 弦内横波の速さに関与するのは、 弦の 線密度 と 張力 だからです。 気柱の振動は音源ですが、 共鳴体内の空気の振動は音源ではないのです。 この違いが、 シンギングパイプはヘリウムで置換された部屋の中でつま弾くとピッチが高くなるが、 ギターはヘリウムで置換された部屋の中でつま弾いてもとピッチが高くならないという結果の違いを導くのです。
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