故郷の木彫り師
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2012.12.05


  私の苦手は、 日曜大工 と バイオリン演奏 です。 つまり、 自分の意識の内側でイメージしたものを、 自分の意識の外側にある4次元時空間の中に、 自分の体を使って現実化させることが下手なのです。 以前に、 両親が親しくさせていただいている故郷の木彫り師さんの工房を見せていただいたことがあります。 そのとき、 一塊の木材から生き生きとした命を掘り出す彫刻刀の柄の部分が自身の手作りであったことに感心しました。 作品作りは道具作りから始まっていたのです。 また、 彫刻刀が一本一本大切に保管されており、 流石は職人だなと思いました。 最近、 その方が自分の集大成を発表されたのです。 それは、 彼の作品をプロのカメラマンが写し取り、 それをデザイナーが本にするという、 3人の芸術家による共同作業によるものでした。 先日その本をプレゼントしていただき拝見したところ、 彼が職人でもあり芸術家でもあったことを思い知らされたのです。 重力場から受ける力、 曲面が奏でる音楽、 表面の多彩な肌触り、 木目のわびさび、 その表情が語りかける言葉など、 それぞれが持つ独自の趣が伝わってきて、 どれも比べることのできない魅力に溢れていました。 その上、 すべての作品に共通する、 す〜っと1本の筋の通った木彫り師の哲学があることに気づきました。 最近、 彼らの作品の展示会が故郷であったようで、 故郷の情報を発信している同級生のブログには、「 友達が、 すごく良かったよ〜 行ってみてと言うし、 ○○君もオススメだというし、 行ってみた。 作者さんはいるし、 お客さんもたくさんだった。」と書いてありました。