熱放射
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2012.11.03
黒体は、 完全放射体とも言われ、 外部から入射する電磁波を完全に吸収し、 また放出できる物体である。 黒体が電磁波を放出することを黒体放射という。 したがって、 黒体の色は黒と決まっているわけではない。
熱エネルギーが電磁波として外部に伝わることを、 熱放射という。 ある温度の物体が熱放射をするとき、 放出するエネルギーの、 その物体と同じ温度の黒体が放出するエネルギーを 1 としたときの比を 放射率 という。 およその放射率は、 人体が 0.95 、 表面平滑な鉄は 0.08 となっている。
熱放射によって放出されるエネルギーは絶対温度の4乗に比例し、 放出される電磁波たちの最大周波数は絶対温度に比例する。 放射率の反対は吸収率であるが、放射率と吸収率は、すべての物質において等しくなっている。
物質の表面から放出される赤外線を測定することによって、 物質の表面温度を測定するのが、 サーモグラフィー や 非接触型赤外線式体温計 である。 これは、 熱放射全体を測っているわけではないが、 動いている者でも素早く痛くなく簡単に体の表面温度を測ることができる。 したがって、 空港でのインフルエンザ患者スクリーニングに用いられたりする。