今日は論理学の話しをさせていただきますが、分かりやすくするために、真実ではないことも申し上げます。どうかご了承下さい。
疫学調査によりますと、「 喫煙をしない人は、喫煙をしている人比べて、肺がんや喉頭がんになるリスクが 1/10 以下である。」と危険率5%で言い切ることができます。また、「 週3回以上テニスをする高齢者は、全くテニスをしていない高齢者に比べて、平均寿命が1歳以上長い。」と危険率5%で言い切ることができます。
60 歳のAさんは 30 歳のときに禁煙をしてそれ以来喫煙していません。Aさんはこう言います。「 私は喫煙をしている人に比べて肺がんや喉頭がんになるリスクが 1/10 以下である、と危険率5%で言い切ることができる。」はたしてAさんの言っていることは正しいでしょうか? 答えは、正しいです。なぜなら、喫煙は肺がんや喉頭がんの原因だからです。
長年に渡り週4回テニスをしている 75 歳のBさんはこう言います。「 私は全くテニスをしていない高齢者に比べて平均寿命が1歳以上長い、と危険率5%で言い切ることができる。」はたしてBさんの言っていることは正しいでしょうか? 答えは、正しい場合もあるし正しくない場合もあるです。なぜなら、高齢者が週3回以上テニスをすることはその人の平均寿命を長くする原因ではないからです。そして、高齢者が週3回以上テニスをすること と 高齢者の平均寿命が長くなること には、共通する原因があるからです。それは貯蓄が一千万円以上あることです。貯蓄が一千万円以上ある高齢者は、週3回以上テニスをする人が多く、かつ、平均寿命が比較的長い人が多いのです。したがって、週3回以上テニスをする高齢者 と 平均寿命が比較的長い高齢者 との間には正の相関関係はありますが、因果関係はありません。相関関係は因果関係の必要条件ではありますが、十分条件ではありません。因果関係の場合は、原因が真ならば結果も真になりますが、相関関係の場合は、一方が真ならばもう一方も必ず真になるとは限りません。もしもBさんの貯蓄が一千万円以上ある場合は、Bさんの言っていることは正しく、もしもBさんの貯蓄が一千万円未満である場合はBさんの言っていることは間違いになります。
因果関係: A ならば B 非因果的相関関係: B と C の交わり

※ 参照: 大学生のための物理学 > 基礎物理学 > 考察ミス その3
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