日本古来の調の本質
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2019.03.24____

     陽旋法 :  れ  み  そ  ら  ど  れ
     陰旋法 :  み  ふ ら  し  れ  み

  ピアノで弾いてみてください。 ト長調で陽旋法を。 そして叩いた鍵盤をそのままハ長調の階名で表してください。 すると、 次のようになります。
     ら  し  れ  み  そ  ら    ・ ・ ・
  これは、 短調の 3・6 抜き です。「 田舎節 」と言われます。日本では 長調 のように聞こえる調も、 洋楽では 短調の範囲に入るのです。田舎節は、 ピアノの黒鍵だけで弾くことができます。 #G ( Gis ) から始めます。

「 君が代 」 は の調に 「 #ふ 」 が加わったものです。
     ら  し  れ  み #ふ そ  ら

  陽旋法の主音を れ → ら に変更してみてください。 すると、 ら  ど  れ  み  そ  ら  になります。 これをピアノで弾いてみてください。 ハ長調で。 そして叩いた鍵盤をそのままト長調の階名で表してください。 すると、 次のようになります。
     れ  ふ そ  ら  ど  れ
これを「 第2の陽旋法 」と言う人もいます。


 陰旋法の主音を み → ら に変更してください。 すると次のようになります。
     ら  し  れ  み  ふ ら    ・ ・ ・
これは、 短調の 3・7 抜き です。
「 通りゃんせ 」 は の調に 「 ど 」 が加わったものです。
     ら  し  ど  れ  み  ふ ら
  ただし、 「 通りゃんせ 」 の主音は 「 み 」 になります。 「 ら 」 が主音になる曲としては、 大正8年に発表された 北原白秋作詞 弘田龍太郎作曲の 「 雨 」 があります。

  どうも が 日本古来の調の 本質( 西洋的解釈 )のようです。 特に は、 短調の中に 「 ふ 」 が入っており、 和声学的でなく、 日本的なもののようです。
        ( 参考 : 別の論文 「 Take Fie 」 の中の 「 六抜き短音階 」 )


  日本的な短調としては、 他に 4・7 抜き短調があります。
     ら  し  ど  み  ふ ら ( 4・7 抜き )
  これは「 都節 」と言われます。中国の五音階( 宮 商 角 微 羽 宮 = み ふ ら し ど み )の主音を み → ら に変更したものです。 宮 商 角 微 羽 宮 = み ふ ら し ど み は 陰旋法 = み ふ ら し れ み によく似ています。ですから、宮 商 角 微 羽 宮 = み ふ ら し ど み を「 第2の陰旋法 」と言う人もいます。 陰旋法では、上行のときは「 第1の陰旋法 」、 下行のときは「 第2の陰旋法 」が用いられることが多いです。

  日本の短調で比較的多い調べは、 2・6 抜き短調 ( 民謡調 ) です。 これはピアノの黒鍵だけで弾くことができます。 #D ( Dis ) から始めます。
     ら  ど  れ  み  そ  ら  ( 2・6 抜き )

に 「 ど 」 を加えると、
     ら  し  ど  れ  み  そ  ら    ・ ・ ・
から 「 し 」 を除くと、 民謡調 になります。
     ら  ど  れ  み  そ  ら  ( 2・6 抜き )
に 「 ♯ふ 」 を加えると、 「 ドリアン 」 になります。
     ら  し  ど  れ  み #ふ そ  ら    ・ ・ ・

  「 ドリアン 」 は、 2・6 抜き短調 と 3・6 抜き短調 を合わせて 6番目の音を半音上げた音を加えた音階になっています。
  の主音を ら → そ に変更してピアノで弾くと、 ト長調の 「 どれみふそらしど 」 になります。 「 ドリアン 」 は 長調 と 短調 との境界です

  「 君が代 」 は 「 ドリアン 」 調の曲です。 明治時代になって作られた曲ですから、 日本古来の調に西洋的な 「 ドリアン 」 がコラボしているのです。 君が代の歌い出しは長調の 「 れどれみそみれ 」 になっていますが、 「 らそらしれそら 」 が正解かもしれません。

  参考 :
    和声的短調音階 : 短調に ふ が入るなら、 そ は 半音上がるべし
        ら  し  ど  れ  み ふ #そ ら
    「 ドリアン 」 に似た 短調 と 長調 が入り混じった調 :
        ら  し  ど  れ  み #ふ #そ ら

   参考文献
      音楽と物理学 > いくつかの庶民的な音階
      音楽と物理学 > 黒鍵が作る五音階