(1) 音楽編
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私がバイオリンで一番弾きやすい二長調の曲を弾くとき、 同じ人差し指を用いる レの音 と ラの音 の押さえる位置( 弦は違いますが )は、 ラの音のほうが若干低め( 遠い位置 )になります。 そうした方が楽器がよく鳴るし、 合奏のときにはきれいなハーモニーになるからです。 一方、 ギターにはフレットがあって、 押さえる位置が機械的に同じになるようになっています。 フレット楽器や鍵盤楽器は「 平均律 」での演奏に用いられます。 一方、 オーケストラで必ず用いられる楽器は基本的に「 純正調 」での演奏に用いられます。「 平均律 」での和音よりも「 純正調 」での和音のほうが若干心地よく響きます。 映画「 2001年宇宙の旅 」で使われている「 交響詩 ツァラストラはかく語りき 」の冒頭の最後まで残るパイプオルガンの和音が今一つ心地よく聞こえないのは私だけではないと思います。
音の高さは、 音の波長によります。 波長が短いほど高い音です。 音が空気を伝わる速さは一定ですので、 音の振動数は波長の逆数に比例します。 ということは、 振動数が多いほど音は高くなります。 これからのお話は、 音の振動数を用います。
バイオリンで二長調の音階を弾いた時には、 その振動数の比率は次のようになります。
ド : レ : ミ : ファ : ソ : ラ : シ : ド
= 24 : 27 : 30 : 32 : 36 : 40 : 45 : 48
この音階を純正調音階と言います。
一方、 ピアノで二長調の音階を弾いた時には、 その振動数の比率は次のようになります。
ド : レ : ミ : ファ : ソ : ラ : シ : ド
=

この音階を平均律音階と言います。

2本のバイオリンで、 二長調の ド と1オクターブ高いド を弾いた時には、 その振動数の比率は次のようになります。 24: 48 =→ 1 : 2
2本のバイオリンで、 二長調の ド と ソ を弾いた時には、 その振動数の比率は次のようになります。 24 : 36 =→ 2 : 3
3本のバイオリンで、 二長調のTの和音 : ドミソ を弾いた時には、 その振動数の比率は次のようになります。 24 : 30 : 36 =→ 4 : 5 : 6
3本のバイオリンで、 二長調のWの和音 : ファラド を弾いた時には、 その振動数の比率は次のようになります。 32 : 40 : 48 =→ 4 : 5 : 6
3本のバイオリンで、 二長調のXの和音 : ソシレ を弾いた時には、 その振動数の比率は次のようになります。 36 : 45 : 54 →= 4 : 5 : 6
以上のように、 心地良い和音は、 和音を構成する音の振動数の比率が簡単な整数比になっています。
ピアノで、 二長調のTの和音 : ドミソを弾いた時には、 その振動数の比率は次のようになります。

これは、 純正調に慣れている人にとっては、 ミの音が高すぎて若干心地よさに欠けるハーモニーになります。
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