腎臓のお仕事
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2012.07.29


  腎臓の機能は、 血液浄化です。 血液中の老廃物や余分な水を体外に排泄します。 このとき、 栄養素など人体に必要なものを排泄しないようにしなければなりません。 そこで腎臓は、 糸球体で、 血液を比較的大きな目をしたザルにかけて濾し取った後、 尿細管で、 濾過液から必要な物を吸収して取り戻すようになっています。 蛋白質は分子量が大きいので糸球体で濾し取られますが、 ブドウ糖は濾し取られません。 脂質は血管内では蛋白質とくっついていますので糸球体で濾し取られます。

  腎臓は、 血液浄化作用以外に、 体液量や体液の浸透圧や電解質の量の調整を行っています。 腎臓の糸球体はコーヒーのフィルター( 濾紙 )に例えられ、 また、 腎臓全体のモデルは下図のように表されます。

     

  人工腎臓といわれる透析の原理は、 半透膜で分けられた 血液側 と 透析液側 との、 水や物質の移動です。 血球や蛋白質は、 半透膜の穴を通り抜けることができません。 半透膜の穴を通りぬけることができる物質の移動は、 エントロピー増大の法則による濃度の均一化作用によります。 半透膜の穴を通りぬけることができる水の移動は、 エントロピー増大の法則による圧力の均一化作用によります。 前者は 「 拡散 」 といわれ、 後者は「 限外濾過 」といわれます。


  透析では、 人の動脈に採血針を刺して管をつなぎ、 動脈血の一部をポンプを使って使い捨ての高価なダイアライザーの中を通して浄化し水を減らした後に、 静脈に戻してやります。 この体外循環のとき、 次のようなことに気をつけなければなりません。
   1. 循環血液減少性ショック
   2. 心原性ショック や 不整脈発作
   3. 空気による肺塞栓
   4. 体外循環血液凝固
  透析導入時の患者さんは、 腎不全の他にも心不全や肝不全が合併していることが多く、 透析中は手術時のような緊張感が持続します。