共犯の罪で懲役2年の刑をこれから受けようとしている2人の囚人AとBがいます。ここにきて、2人の共犯による別件疑惑が浮上しました。裁判官が2人にこう告げます。「2人とも黙秘を通した場合は、2人は今まで通り懲役2年の刑となり、2人とも罪を認めた場合は、2人とも懲役5年の刑となり、一方が黙秘を通して他方が罪を認めた場合は、黙秘を通した方は懲役10年の刑となり、罪を認めた方は釈放となる。」その後2人は別々に取り調べを受けましたが、はたして2人は黙秘を通したのか? 罪を認めたのか? 囚人AもBも知能が優れていて、かつ、わが身びいきであるとします。
| 囚人B | ||||
|---|---|---|---|---|
| 黙秘を通す | 罪を認める | |||
| 囚人A | 黙秘を通す | 囚人A:−2 囚人B:−2 |
囚人A:−10 囚人B:0 |
|
| 罪を認める | 囚人A:0 囚人B:−10 |
囚人A:−5 囚人B:−5 |
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【 読者の考え方 】
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囚人Aが黙秘を通す確率を P とし、囚人Bが黙秘を通す確率を W とする。
囚人Aも囚人Bも同じ立場なので、2人とも黙秘を通す か 2人とも罪を認める かのどちらかになるはずだ。
したがって、 P = W である。
囚人Aが結果的に背負う刑の期待値をSAとする。( 期待値が大きいほど満足 )
2人がそれぞれ結果的に背負う刑の期待値をSとする。( 期待値が大きいほど満足 )
SA = W × { −2×P + 0×(1−P) } + (1−W) × { −10×P − 5×(1−P) }
S = P × { −2×P + 0×(1−P) } + (1−P) × { −10×P − 5×(1−P) }
= 3P2 − 5
Sは 0 ≦ P ≦ 1 の範囲では、
P = 0 のとき 最小値 −5 をとり、
P = 1 のとき 最大値 −2 をとる。
以上より、2人とも黙秘を通すことになります。
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囚人Aの考え方:
もし囚人Bが黙秘を通した場合は、私は罪を認めた方が得である。
もし囚人Bが罪を認めた場合は、私は罪を認めた方が得である。
囚人Bの考え方:
もし囚人Aが黙秘を通した場合は、私は罪を認めた方が得である。
もし囚人Aが罪を認めた場合は、私は罪を認めた方が得である。
以上より、2人とも罪を認めることになります。
「囚人のジレンマ」は「利得による思惑」が含まれる「ゲーム理論」の問題です。したがって、「無作為」をモットーとする確率論の範疇を超えているのです。
※ 参照: 確率 > 容疑者X の選択
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