滑車が天井から紐でつり下げられています。 この滑車にロープをかけ、 両端に同じ質量の重りをつないで吊り合わせます。 このとき、 2つの重りに働く重力( I と J ) はどのようにして天井に伝わっているのか見てみましょう。 ただし、 滑車やロープや紐の質量は
とします。
B : 吊り紐が天井に及ぼす張力
C : 吊り紐が滑車に及ぼす張力
D : 滑車が吊り紐に及ぼす力 ( 滑車以下の系が吊り紐に及ぼす重量力 )
E : 滑車がロープに及ぼす力
F : ロープが滑車に及ぼす張力
G : ロープが重りに及ぼす張力
H : 重りがロープに及ぼす重量力
I : 地球が重りに及ぼす重力
全体的に見ると、
になります。
A と B 、 C と D 、E と F 、 G と H は、 それぞれ作用反作用の関係です。
作用点には丸印が付いています。 作用点が2つの物質に渡って重なっている所は
で、 作用点が重なってない所は
です。 I や J の反作用になる力たちは地球の重心に作用しています。
I と G 、 H と E 、 D と A 、 F+K と C は、 それぞれ吊り合っている力の関係です。
F が作る力のモーメント と K が作る力のモーメント とは、 吊り合っています。
「 力の吊り合い 」は、「 ある物質に作用している力をベクトル的に全て加えると
になるので、 加速度が生じない。」ということであり、 運動方程式では
と表わされます。
「 作用反作用の法則 」、 A が B に対して
の力を作用しているときは、 B は A に対して
の力を作用しているというものであって、 力の吊り合いとは全く別の概念です。机の上にコップが置いてあります。「 力の吊り合い 」とは、「 地球がコップに対して作用している重力 と 机がコップに対して作用している垂直抗力 との和が
であるので、 コップは静止し続けている。」ということであり、「 作用反作用の法則 」とは、「 コップが机に対して作用している力は、 重力と大きさも向きも等しい力なのだが、 それに対する反作用は、 机がコップに対して作用している垂直抗力であり、 この2つは互いに大きさが同じで反対方向を向いている。」ということです。「 力の吊り合い 」は同一の物質に作用している力に関する事柄です。 作用反作用の関係にある2つの力は、 異なる物質に作用している力たちであり、 数学上は加えることができますが、 物理学上は加えることはできません。 私は、 コップが机に対して作用している重力と大きさも向きも等しい力のことを「 重量力 」と言っています。 このケースで言えば「 重力 」は地球が物質に及ぼす力であり、「 重量力 」はコップが机に及ぼす力であって、 2つは同じものではないからです。 もちろん「 重量力 」を作っているのは「 重力 」です。便宜上、 自由落下している積み木には重力が重心に作用していると考えます。 机の上に置かれている積み木にも重心に重力が作用しており、 机との接点に作用している垂直抗力と吊り合っています。 このとき、 積み木は机に対して積み木との接点において重量力を作用しています。 重量力 と 垂直抗力 は 作用反作用の関係です。
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