銀行の負債と資産
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2025.06.04


 負債と資産は反対言葉です。ですから、資産を負の数の範囲まで広げれば、負債が減るとは資産が増えることと同じです。100 万円の負債とは−100 万円の資産のことです。

 私はA銀行に 400 万円預金しています。A銀行の日銀当座預金額は 1000 万円とします。今日、私はA銀行に出向いて、100 万円を引き出しました。すると、私のA銀行の口座には今日の日付で預金額 300 万円と記載されます。
 以上のことをA銀行の負債と資産の変化で見てみましょう。
 最初、A銀行は日銀に対して 1000 万円の資産があり、かつ、私に対して 400 万円の負債があり、合わせて、600 万円の資産がありました。私がA銀行の口座から 100 万円を引き出したことによって、それらはどうなったでしょうか? A銀行は日銀に対して 依然として 1000 万円の資産があり、かつ、私に対して 300 万円の負債があるようになり、合わせて、700 万円の資産があることになります。ということは、A銀行の資産は 100 万円増えたことになります。
 銀行は預金を引き出されると負債が減って資産が増え、預金をされると負債が増えて資産が減るのです。銀行の貸出しとは、預金者のマイナスの預金のことですから、貸出しによって銀行は負債が減って資産が増えます。マイナスの預金とは引き出しのことです。

 一方、2つの銀行の間で一方から他方へ送金が行われた場合は、銀行の負債や資産は変化しません。
 私はA銀行に 400 万円預金していて、B銀行に 100 万円預金しています。A銀行もB銀行も日銀当座預金額は 1000 万円とします。今日、私はA銀行に出向いて、自分の預金の中から 100 万円をB銀行の自分の口座に振り込んでもらうように依頼しました。すると、私のA銀行の口座には今日の日付で預金額 300 万円と記載され、私のB銀行の口座には今日の日付で預金額 200 万円と記載されます。と同時に、A銀行の日銀当座預金額は 900 万円になり、B銀行の日銀当座預金額は 1100 万円になります。
 以上のことを2つの銀行の負債と資産の変化で見てみましょう。
 最初、A銀行は日銀に対して 1000 万円の資産があり、かつ、私に対して 400 万円の負債があり、合わせて、600 万円の資産がありました。また、最初、B銀行は日銀に対して 1000 万円の資産があり、かつ、私に対して 200 万円の負債があり、合わせて、800万円の資産がありました。100 万円がA銀行の私の口座からB銀行の私の口座に移ったことによって、それらはどうなったでしょうか? まず、A銀行は日銀に対して 900 万円の資産があるようになって、かつ、私に対して 300 万円の負債があるようになり、合わせて、600 万円の資産があることになります。次に、B銀行は日銀に対して 1100 万円の資産があるようになって、かつ、私に対して 200 万円の負債があるようになり、合わせて、800 万円の資産があることになります。というわけで、A銀行もB銀行も負債や資産の合計は変化しないのです。

 さて、政府が企業Dに公共事業 1000 万円分を発注するときのお金の流れを見てみましょう。企業Dは銀行Cに 500 万円預金しているものとします。また、C銀行の日銀当座預金額は 1000 万円とします。公共事業の発注がされると、C銀行の企業Dの口座には発注日の日付で預金額 1500 万円と記載されます。と同時に、C銀行の日銀当座預金額は 2000 万円になります。
 以上のことをC銀行の負債と資産の変化で見てみましょう。
 最初、C銀行は日銀に対して 1000 万円の資産があり、かつ、企業Dに対して 500 万円の負債があり、合わせて、500 万円の資産がありました。公共事業が発注されたことによって、それらはどうなったでしょうか? C銀行は日銀に対して 2000 万円の資産があるようになって、かつ、企業Dに対して 1500 万円の負債があるようになり、合わせて、500 万円の資産があることになります。というわけで、C銀行の負債や資産の合計は変化しないのです。