転倒のしにくさには2種類あります。 それは、「 安定の中の安定 」と「 不安定の中の安定 」です。 読んで字のごとく、 前者の方が後者よりも安定しているのですが、 魅力的なのは後者の方だと思います。 だって、 いつでも運動エネルギーに変化できる位置エネルギーを重心は蓄えているのだから。
「 不安定の中の安定 」の例は、 手の平の上でバランスをとりながら棒を垂直に保つことであり、「 安定の中の安定 」の例は、 振り子が空気の抵抗によって徐々に振幅を小さくしていって振動を止めることです。「 安定の中の安定 」とは、 重心が常に支点の真下にあるときのことであり、「 不安定の中の安定 」とは、重心が常に支点の真上にあるときのことです。
一様な密度でない棒の重心は棒の中心とは異なるので、 棒の重心がどこにあるのかがわかりません。 棒の重心を簡単に見つけるには2つの方法があります。 それは、「 安定の中の安定 」を使う方法と「 不安定の中の安定 」を使う方法です。 前者は、 棒の両端を棒よりも長い紐で結んでから、 棒が水平になるように天井の一点に紐の一点を固定することで重心が解ります。 後者は、 棒の両端を棒Aと棒Bの上に乗せて水平にし、水平を保ったまま棒Aと棒Bを限りなく近づけることで重心が解ります。

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