転がりには「 回転走行 」と「 転倒回転移動 」と「 慣性転倒回転移動 」の3種類あります。これらの名前は私が勝手に付けました。前者2つは加速度運動で、後者は等速運動です。
一様なしっかりとした摩擦が生じるレーンD と 出発点から離れるに従って徐々に運動摩擦係数( すべり摩擦係数 )が低下していって途中から摩擦が生じなくなるレーンC とがあります。
車輪が自由にくるくると回る自動ではないミニカーAがあります。これを水平に置かれたレーンDに2〜3回こすり付けて車輪を空回りさせてからそっとレーンDの上に置くと、急発進します。そして、その後ミニカーAは「 慣性転倒回転移動 」をして等速移動します。( 空気抗力や車軸回転抵抗などが作用しないという条件下にて ) 水平なレーンDの上でミニカーAを移動させる力の大本は、レーンDへのこすり付けで、それによって得られた車輪の回転の慣性です。回転の慣性とは剛体の角運動量保存法則です。
一方、傾けられたレーンDにそっと置かれたミニカーAは「 転倒回転移動 」をして加速します。 傾斜のあるレーンDに置かれたミニカーAを移動させる力の大本は重力です。
次は、レーンCを用います。ミニカーAを水平に置いたレーンCに2〜3回こすり付けて車輪を空回りさせてからそっとレーンCの上に置くとミニカーAは急発進し「 慣性転倒回転移動 」をして等速移動します。運動摩擦がなくなった後も、ミニカーAは車輪を回転させながら移動し続けます。このとき、転がり摩擦はなく、慣性転倒回転移動はしていません。ミニカーAは滑っていて車輪はレーンCの上で空回りしているだけなのですが、スリップしているミニカーAはあたかも順調に慣性転倒回転移動しているように見えます。この状態で求められたスリップ率は偽のスリップ率です。本当はスリップ率 100% なのですが・・・・。

上記のスリップ率は、正確には「滑りスリップ率」であり、空回りスリップが無いという条件下で求められるものです。したがって、このように空回りが存在する場合は、スリップ率を間違って算出してしまいます。
続いて、レーンCを傾けて坂道を作ります。そして、ミニカーAをそっと置いて転がします。摩擦がなくなった後も、ミニカーAは車輪を回転させながら加速的移動を続けます。このとき、転がり摩擦はなく、転倒回転移動はしていません。ミニカーAは滑っていて車輪はレーンの上で空回りしているだけなのですが、スリップしているミニカーAはあたかも順調に転がり落ちているように見えます。この状態で求められたスリップ率も偽のスリップ率です。本当はスリップ率 100% なのですが・・・・。
最後に、スイッチを入れると自動で走るミニカーBを水平に置いたレーンCの上で急発進させます。最初は「 回転走行 」をして加速していきますが、摩擦がなくなった後は等速になります。このとき、ミニカーBは滑っていて車輪はレーンの上で空回りしているだけなのですが、スリップしているミニカーBはあたかも順調に回転走行しているように見えます。この状態で求められたスリップ率も偽のスリップ率です。本当はスリップ率 100% なのですが・・・・。
※ 参考: ばいおりんの日常的物理学文集 > 力の物理学 > 空回りスリップ と 滑りスリップ
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