慣性系とは
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2014.04.14
物質と同じ速度で移動している第0観察者がいます。 第0観察者に対して等速直線運動をしている第1観察者がいます。 第1観察者に対して、 第1観察者の第0観察者に対する移動速度とは異なる速度で等速直線運動している第2観察者がいます。
ニュートン力学における慣性系のイメージはこうです。
「 第2観察者の有する無限静止空間としての慣性系の中に、 第1観察者の有する等速直線運動をしている箱型空間としての慣性系があり、 その中に第0観察者の有する等速直線運動をしている箱型空間としての慣性系がある。」
本当は次の言い方が正しいのですが、 現実的な事象をイメージしやすいようにするため上記のような表現をしているのです。
「 第2観察者の有する無限静止空間としての慣性系の中に、 第1観察者の有する等速直線運動をしている無限静止空間としての慣性系があり、 その中に第0観察者の有する等速直線運動をしている無限静止空間としての慣性系がある。」
アインシュタインの相対性理論における慣性系を、 ニュートン力学と同じようにイメージすると、 慣性系を誤解してしまいます。 それはアインシュタインの相対性理論の慣性系が4次元時空間だからという理由ではありません。( ガリレイ変換はニュートン力学的相対性理論の道具ですが、 4次元時空間を扱っています。) 自分の世界においては点でしかない赤の他人も、 各自が無限に広がる独自の世界を持っていることは、 みんな知っています。 そうです、 アインシュタインの相対性理論における慣性系は、 このようなイメージで捉えなければならないのです。 第2観察者にとって第1観察者の有する慣性系は無限に広がる空間ではなくて点でしかないのです。 しかし、 第1観察者にとっては第1観察者の有する慣性系は無限に広がる空間です。 以上の点が、 慣性系に関して定説と私の感性が異なる所です。 第2観察者の有する慣性系から第1観察者の有する慣性系への相対論的座標変換は、 そういう慣性系どうしの関係の上に成り立つ座標変換でなければならないと考えます。
思い浮かべてください。 光源 と 第1観察者 と 第2観察者 が それぞれ異なる速さで同一直線上を等速直線運動しています。 光源 から 第2観察者 へ届く光は、 第2観察者の有する慣性系の中で、 移動している光源 から 静止している第2観察者 へと伝わっていますが、 光源 から 第1観察者 へ届く光は、 第2観察者の有する慣性系の中の移動する光源 から 第1観察者の有する慣性系の中の静止している第1観察者 へと伝わっているのではありません。 光源 から 第1観察者 へ届く光は、 第1観察者の有する慣性系の中で、 移動している光源 から 静止している第1観察者 へと伝わっているのです。
アインシュタインの相対性理論の入門書では、 移動している物質の固有時間( 私に言わせると、 相対時間 ) が短縮していること(「 時間の遅れ 」)を説明するのに、 光時計の光の伝達経路におけるピタゴラスの定理( 三平方の定理 )を使っていますが、 それは、「 第2観察者の有する慣性系の中を伝わる光子が第1観察者( 光時計の両端にある鏡を第1観察者としてもよい )へと届いている 」とする間違った考えの上に展開されています。 第2観察者の有する慣性系の中を伝わる光の速度を表すベクトルは、 直線の方向と垂線の方向とに分解され、 垂線の方向の速さは、 本来の光の速さよりも遅くなっています。 この第2観察者の有する慣性系の中を伝わる垂線方向に遅くなっている光が、 第1観察者に対して静止している光時計の中を伝わっているとすることによって、 第1観察者の時の経過スピードは遅れるのですが、 これは、「 どんな速度で等速直線運動をしている観察者にとっても、 どんな速度で運動している光源から放たれた光でも、 どんな方向に対しても、 その伝わる速さは一定である。」という相対性理論の根底となっている公理を否定しているのです。
「 同時性の消失 」についても同じことが言えます。 静止している2つの光源を結ぶ線分の中点でAとBの2人が重なった瞬間に2つの光源が一瞬光を放ち、 その後も、 Aはその場に留まり、 Bはどちらかの光が放たれた場所に向かって等速直線運動を続けます。 すると、 Bからすると「 私は2つの閃光を同時に見たが、 Aは2つの閃光を異なる時刻に見た。」ということになりますが、 Aに言わせると「 私は2つの閃光を同時に見た。」ということになります。 これは、 Bが自分の慣性系を伝わる光がAに伝わっていると勘違いしているからなのです。 相対性理論の公理は「 どんな速度で等速直線運動をしている観察者にとっても、 どんな速度で運動している光源から放たれた光でも、 どんな方向に対しても、 その伝わる速さは一定である。」ということです。 これは、 ある観察者の慣性系の中でのその観察者に対する光の速さのことであって、 ある観察者の慣性系の中での別の観察者に対する光の速さのことではありません。 「 同時性の消失 」とは、 ある観察者の慣性系の中を伝わる光が別の観察者に伝わると考えているために生じる誤りなのです。 光源からある方向に等速直線運動していく光子について言うと、 それは、 1つのものではなく、 第0観察者、 第1観察者、 第2観察者、 それぞれにとって異なるものであるということです。 第1観察者にとっての光子が第0観察者に衝突することはないのです。