気流束の中に浮く玉
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2025.12.14
ヘアドライヤーを使ってピンポン玉を浮かすことができます。その原理について考えてみましょう。
ピンポン玉には重力に抗する下からの風による力が働いています。空気の粒子たちが勢いよくピンポン玉に衝突してくることによって生じる力です。
ピンポン玉に衝突して弾かれた粒子たちは、ピンポン玉の回りを包むように上昇してピンポン玉の上部で合流して上昇していきます。
浮いているピンポン玉は上下に振動していますが、左右にも振動しています。囲まれた空気の流れの束から抜け出そうとして抜けれない状態が続いているのです。
トレーサー粒子を吹き付けた上で、レーザーシート光源による照明下で、ハイスピードカメラを用いて撮影したものを再生し解析すると、気流のベクトル空間の時間変化をイメージングすることができます。
ピンポン玉が気流の束の左側に寄ったとき、ピンポン玉の右側の気流量が増え、左側の気流量が減ります。そのとき、右側の気流速度は左側に比べて随分と速くなっています。その理由は、右側の気流量の一部はピンポン玉を回転しようとして、左側からくる気流と衝突をし、左側の気流速度を減弱させるからです。液体もそうですが気体には粘性があり、接触した物に対して接触を続けようとします。( コアンダ効果 ) よって、右側の気流量の一部はピンポン玉を回転しようとするのです。
ピンポン玉の左右振動は、「 気流速度の速い所は気圧が下がる。」というベルヌーイの定理によって説明することができます。ピンポン玉が気流の束の左側に寄ったときは、ピンポン玉の左側の気圧が右側の気圧よりも高くなっています。したがって、ピンポン玉には右向きの力が働くのです。
ベルヌーイの定理を実感するためには、2本の500mlの空のペットボトルとストローを使います。2本のペットボトルを5mm位の隙間を開けて並べ、その隙間にストローを通して息を吹きかけると、2本のペットボトルが寄ってきて隙間が狭くなります。
※ 参照: 大学生のための数学 > 基礎物理学 > 流体力学 ベルヌーイの定理