磁場の中のコイル
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2020.04.22____

 コイルとは、電気の導線となる金属線をらせん状に巻いたもので、電気回路の インダクタ や 磁場を得る装置 として用いられたり、磁石と一緒に モーター や 発電機 の部品になったりします。

 モーターは、インプット は「 変化しない磁場の中でのコイルを流れる電流 」であり、アウトプット は「 コイルの回転 」です。モーターはローレンツ力を利用する道具です。ローレンツ力の方向は、フレミングの左手の法則( ちじでんの法則 )によって分かります。

 発電機はコイルを固定して磁石を回転させるのですが、磁石を固定してコイルを回転させてもかまいません。そのような発電機はモーターと構造が同じです。モーターと構造が同じ発電機は、インプット は「 変化しない磁場の中でのコイルの回転 」であり、アウトプット は「 コイルを流れる電流 」です。発電機は電磁誘導を利用する道具です。

 電磁誘導は、コイルを貫通する磁場の変化がコイルに電流を発生させる現象です。電磁誘導によって発生する電圧は誘導起電力と言われます。コイルに磁石を近づけるとコイルはそれを遠ざけるような磁石になり、コイルから磁石を遠ざけると、コイルはそれに近づくような磁石になります。この現象の本質を捉えたのが レンツの法則 です。電磁誘導によって発生した電流が、アンペールの法則( もっと根本的に言えばビオサバールの法則 )によって磁場を作りますが、その磁場の向きは、近づく磁石が作っている磁場とは逆方向で、遠ざかる磁石が作っている磁場とは同方向になります。

 一様な向きの変化しない磁場の中でコイルを回転させると、電磁誘導が起こりコイルに電流が流れますが、コイルを回転させないで移動させただけでは電磁誘導は起こりません。しかし、直線状の電気の導線を「 それと垂直方向になっている磁場の向きに対して垂直方向 」かつ「 導線の方向と垂直方向 」に移動させると、フレミングの右手の法則( うじでんの法則 )で示される方向に電流が流れます。その電流にはローレンツ力が働きますが、それは導線の移動方向と逆になりますので、導線の移動にはブレーキがかかります。

 陰極線( 真空管の中で観察される電子の流れ )に磁場を与えると、陰極線は曲がります。これは、陰極線がアンペールの法則によって磁場を作り出し、その磁場が与えられた磁場と同じ方向になろうとして、陰極線を構成する電子たちに力を加えているのではありません。陰極線を構成する電子たちに力を加えているのは、与えられた磁場そのものです。この力がローレンツ力です。ローレンツ力は原理です。それは、プラスの電荷をもったものとマイナスの電荷をもったものが引き合うということが、なぜなのかそれ以上説明することができないようなものです。