主権国家の誕生 から 帝国主義の時代まで の あらすじ
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2019.10.25


  1300年ころから教会の力が次第に衰えてきて、 ヨーロッパの中世 ( 非科学的な宗教中心の時代 ) の終わりごろ。 1453年に東ローマ帝国(ビザンツ帝国)が滅亡して 「 ルネッサンス 」 が本格的になります。 1510年ころにポーランドのコペルニクスが古代ギリシャのアリスタルコスが提唱していた地動説を確信し ( 発表は 宗教上の理由から 1543年 )、 1517年に神聖ローマ帝国 ( ドイツ ) のルターが 「 宗教改革 」 を行います。 宗教改革は、 1450年ころにグーテンベルクによって改良された活版印刷術の恩恵にあずかって一大ブームとなり、 宗教紛争や農民の反体制運動を引き起こしました。

  1500年ころからは、 イギリスでは第一次囲い込み運動による農民の労働者化が始まり、 1550年ころからヨーロッパでは宗教に干渉されない中央集権化した 「 主権国家 」 が誕生してきます。 それは、 1600年に入ってから 「 絶対王政 」 を生み、 このころから特にイギリスを中心とする 「 重商主義 」 ( 資本主義の初期に行われた経済への国家の介入 ) が発達し、 1650年頃までには、 ヨーロッパでは 「 主権国家体制 」 が確立します。 また、 主権国家間の関係を規律する法である 「 国際法 」 が成立しました。 それらはいずれヨーロッパやアメリカにおける 「 市民社会 」 ( ブルジョア社会 ) を、 そして、 1850年頃からは 「 国民国家 」 を導くことになります。

  1600年代に入ると、 自然科学が宗教のくびきから解放されます。 1620年ころ、 最後で最大の宗教戦争と言われる30年戦争が始まったころですが、 神聖ローマ帝国 ( ドイツ ) のケプラーが惑星運行の法則を発見します。 これを元に1666年イギリスのニュートンが万有引力の法則を発見します。

  資本主義経済の誕生は、1650年頃のイギリスにおいてであるとされます。1640年の清教徒革命で歴史上に現れたクロムウェルは軍事独裁的議会政治を行って、国家が貿易を管理して重商主義政策をとったり、1652年にオランダとの帆船艦隊決戦に勝利したりしました。1688年の名誉革命を経て、世界初の中央銀行であるイングランド銀行ができたのは1694年のことです。

  1700年代に入ると、 ヨーロッパではバロック音楽 や「 啓蒙思想 」が発達します。 また、 イギリスでは第二次囲い込み運動による本格的な農民の労働者化が始まり、「 産業革命 」 が起こります。 資本主義の子どもから大人への成長期です。 その例として、 綿織物生産部門における機械の発明者を挙げます。

    1733年   ジョン ・ ケイ     飛び杼
    1764年   ハーグリーブス    ジェニー紡績機
    1768年   アークライト     水力紡績機
    1779年   クロンプト      ミュール紡績機
    1785年   カートライト     力積機
    1793年   ホイットニー     綿操機

  イギリスで産業革命が起こった原因として、 次のようなものがあります。
    1. 多国との戦争があり、 軍事産業の需要があった。
    2. 金融機関が早期に成長し、 通貨制度が確立していた。
    3. 保護貿易 ( 関税の調節 等 ) を行った。
    4. 植民地を持っていた。
    5. 炭鉱を持っていた。

  このようにイギリスは早くからきちんとした 「 国家 」 に成長していたのです。 1850年ころからは、 イギリスは 「 世界の工場 」 として、 国内で形成された大量の商品や資本を輸出するとともに、 アフリカやアジアにも多くの植民地を持ちました。 1870年以降はその他の国々も資本輸出が増大し、 また、 イギリスは 「 世界の銀行 」 へと変身して、 世界は 「 帝国主義 」 の時代へと突入していきます。 資本主義経済はナショナリズムの壁を破ってインターナショナルなものへと発展していったのでした。 帝国主義については、 レーニンが1916年に著した 「 帝国主義論 」 での定義が参考になります。 ( レーニンは、 第一次世界大戦を 「 帝国主義戦争 」 と言っています。)