転がり落ちるのは滑り落ちるのとは異なります。 傾斜角度
の摩擦ゼロの斜面を滑り落ちる物質は、 質量に関係なく、 加速度
です。 では、 質量
、 慣性モーメント
、 半径
の球または円柱が、 傾斜角度
の傾斜を転がり落ちるときの加速度はいくらでしょうか?物質は滑り落ちようとしますので、 斜面からはそれに逆らうような摩擦力を受けます。 摩擦係数を
とし、 球または円柱が受ける力を下の図に表します。
運動方程式 :

回転運動方程式 :

と
より


加速度は g sin θ より小さくなっています。 したがって、 滑り落ちるよりも転がり落ちる方が遅いことがわかります。 また、 慣性モーメントが小さいほど、 半径が大きいほど、 速く転がり落ちることもわかります。
私は次のパラメーターを 「 移動慣性量 」 と言っています。

移動慣性量の単位は kg です。 移動慣性量は転がり落ちるときに加速をさせにくくする因子です。
質量が等しくて半径が等しい次の4つのものを転がり落としたときに、早く転がり落ちる順は次のようになります。
球 > 円柱 > 球殻 > 円筒
なぜなら、慣性モーメントが次のようになっているからです。( m は質量 r は半径 )
球: 2/5 m r 2 < 円柱: 1/2 m r 2 < 球殻: 2/3 m r 2 < 円筒: m r 2
参考: 剛体力学 > 球の慣性モーメント
※ 転がり落ちる物質の中には、滑り落ちながら転がり落ちる物質が多く存在しますので、
実験では理論値どおりにならないことがあります。
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