単相交流回路
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2012.09.21


  交流電圧は時間とともにサインカーブを描いて変化します。 交流電圧の大きさは、直流電圧と同じ発熱効果を生じる直流電圧値をもって表されます ( 実効値 ) ので、 家庭用電圧が100V だといっても、 その最大値は になります。
  交流回路を流れる電流も、 電圧が変化しますので、 それに従って変動します。 交流回路を流れる電流の大きさは、 から電流の電圧に対する位相の遅れを引いた位相のときの電流の値になります。 ( 電圧の位相が のときに、 電圧は実効値に等しくなるので。)
  抵抗器を流れる電流を 、 コイルを流れる電流を 、 コンデンサを流れる電流を とします。
  抵抗器、 コイル、 コンデンサ に別々に交流電圧をかけると、 電流もサインカーブを描いて変化しますが、 そのとき、 の位相は電圧の位相と同じ、 の位相は電圧の位相よりも 遅れ、 の位相は電圧の位相よりも 遅くなります。 そこで、 それぞれを虚数を用いて次のように表すことにします。
     

抵抗の3種類
  ・ レジスタンス ( 抵抗器が担う )
  ・ 誘導リアクタンス ( コイルが担う )
  ・ 容量リアクタンス ( コンデンサが担う )

  抵抗器のレジスタンスの大きさを 、 コイルの誘導リアクタンスの大きさを 、 コンデンサの容量リアクタンスの大きさを とします。 電圧の変動のサイクルの角速度を とすると、 次のようになります。

     
             

  抵抗器 と コイル と コンデンサ を直列につないだ場合の、 インピーダンス ( 総抵抗 ) の大きさ :
     
                    ただし、 コイルが無いときは とする。
                    ただし、 コンデンサが無いときは とする。
     

抵抗器 と コイル と コンデンサ を直列につないだ場合の、 全電流の大きさ :
     
                    ただし、 コイルが無いときは とする。
                    ただし、 コンデンサが無いときは とする。


  抵抗器 と コイル と コンデンサ を並列につないだ場合の、 インピーダンス ( 総抵抗 ) の大きさ :
     
                    ただし、 抵抗器が無いときは とする。
                    ただし、 コイルが無いときは とする。
                    ただし、 コンデンサが無いときは とする。
     

抵抗器 と コイル と コンデンサ を並列につないだ場合の、 全電流の大きさ :

    
    
    
                ただし、 抵抗器が無いときは とする。
                ただし、 コンデンサが無いときは とする。


電流の位相の電圧の位相に対する遅れを とすると、 次の式が成り立ちます。
    ・ 抵抗器 と コイル を直列につないだ場合 :  より
        
    ・ 抵抗器 と コイル を並列につないだ場合 :  より
        
この のことを 「 力率 」 と言います。

抵抗器 と コイル を並列につないだ場合、 全電流の大きさは次のようになります。
     
すると、 このときの 「 力率 」 は次の式で与えられます。
     
なぜなら、 だからです。


  抵抗器 と コンデンサ をつないだ場合は、 直列 も 並列 も 抵抗器 と コイル をつないだときと全く同じで、 に代わるだけです。