(0) まえがき
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ここでは、 電場の向きは、 定義と反対で、 電場を形成しているプラスの電荷に引き寄せられる方向とする。 したがって、 電場を形成しているプラスの電荷から離れているほど電位は高くなり、 エネルギー水準が
の範囲になる。 また、 電流を、 定義とは反対で、 マイナスの電荷を持つ電子たちの流れであるとする。 すると、 電流は電位の高い所から低い所へと流れることになる。

簡単にするために、 1次元空間( 直線上 )におけるスカラー場について考えることにする。 すると勾配は次の数直線で表される。

ある点での 質量
の物質が作る重力場( 重力は引力である )を
とすると、 重力を及ぼす物質からその点までの距離との間に、 次の式が成り立っている。
以上のように、 重力場は重位の勾配にマイナス1 をかけたものである。 また、 同様に、 電場は電位の勾配にマイナス1 をかけたものである。
「 ベクトル場のポテンシャル 」 という数学より、 次のことが言えます。距離の逆数にマイナス1 をかけたものは、 重力場 や 電場 のポテン
シャルであり、 それを、 それぞれ、 重位、 電位 といいます。
マイナス1 をかけるのは、 力の向きがマイナス方向だからです。
重圧とは2か所の重位の差であり、 電圧とは2か所の電位の差である。
重位や重圧は、筆者が勝手に作った造語です。 重圧は、 数直線上にありますので、 プラス または マイナス の符号を持ちます。
の物質が作る重力場において
は、 重力場のポテンシャル( 重位 )である。( 重位の範囲
)重位は、 そこに存在する質量
の物質の絶対的位置エネルギーである。重力場は、 大きさは重位の勾配と同じで、 向きが逆である。
の物質が作る電場において
は、 電場のポテンシャル( 電位 )である。( 電位の範囲
)電位は、 そこに存在する電荷量
の物質の絶対的位置エネルギーである。電場は、 大きさは電位の勾配と同じで、 向きが逆である。
の物質が作る近似的に一様な重力場において-
重力場の方向に平行な二次元平面の中の直線の傾き( 勾配ではない )は、 直線上の2点間の距離を用いて、 次の式で与えられる。

重力場の方向と逆方向に変位すればするほど、 その変位に比例して重位は高くなる。 重位の変化量とその変位の間には次の式が成り立つ。

このときの変位を「 高さ 」という。 本当は重圧が問題になっているのだが、 それを人は、 見上げるあるいは見下ろす高さとして体感しているのだ。「 高所恐怖症 」という強迫神経症があるが、 本当は「 重圧恐怖症 」なのだ。 重圧は引き寄せられる力によるものだ。重圧と高さには次のような関係がある。

の物質が作る近似的に一様な電場において-
電場の方向に変位すればするほど、 その変位に比例して電位は高くなる。電位の変化量とその変位の間には次の式が成り立つ。

このときの変位は「 高さ 」とは言わず、 あまり意味を持たない。 人は素直に電圧を感じ取るのだ。 ちなみに、 一様な電場を作る物にはコンデンサーがあるが、今回の学習には関係ない。

電池( 電源 )のマイナス極の電位を0とし、 プラス極の電位を負の数で表す。
導線は抵抗( レジスタンス )が0であるとみなして、 導線の中の電位は一定であるとする。 ということは、 導線の中には電流が流れているが、 電場の大きさは0であるということである。 これは、 重力場が0でも、 慣性の法則によって物質が等速直線運動をするのに似ている。
抵抗内では電位が変化している。 抵抗の入口の電位は0で、 出口の電位は電池のプラス極の電位と等しくなっている。 ということは、 抵抗内には電場が存在するということである。 抵抗内には一様な電場が存在すると言える。
電子が抵抗内を移動する間に、 電子はその位置エネルギーを電磁波または熱エネルギーへと変換する。
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先ほどの電気回路を水循環回路に対応させてみる。 電池をくみ上げ式ポンプに置換し、 抵抗を水車に置換し、 電子を水の分子に置換する。 回路内の水流の速さは一定であり淀みはない。 水分子はその位置エネルギーを水車の運動エネルギーへと変換する。 水の落下路には一様な重力場が存在していると言える。
この回路の律速段階は、 水の落下による水車の回転である。 したがって、 ポンプを2台に増やして並列に繋いだとしても、 水分子の重位差( 重圧 )は変わらず、 水流に変化はみられない。 しかし、 ポンプを2台にして直列に繋いだとすると、 水分子の重圧が2倍になり、 水の落下による水車の回転が速くなって回路内の水流の速さが2倍になる。
このことは電気回路に対応する。 つまり、 電池を並列に繋いでも電流は増加しないが、 電池を直列に繋ぐと電流は2倍になる。
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水くみ上げ式ポンプは、 一様な重力場の存在下において水に仕事をして、 水の位置エネルギーを増加させる。 ということは、 電池は、 一様な電場の存在下において電子に仕事をして、 電子の位置エネルギーを増加させると考えることができる。 電池の中の一様な電場とは何か? それは、 回路内を移動する自由電子となりうる電子と結合している陽子が形成している電場である。 陽子との結合から電子が離されると、 電子の電位は負の数から
へと増大する。 その自由電子は電池の外側の抵抗の中を移動して電位の低い方へと流れていく。
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