物質の 自転 と 公転 の錯覚
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2023.09.03


回転軸が物質の重心を貫いているのが自転 で 回転軸が物質の重心を貫いていないのが公転 です。
自転は移動を伴わない回転 で 公転は移動を伴う回転です。

観察者の周囲を公転する物質の代表的な3パターンを紹介します。
   @ 物質が1回公転する間に、同じ回転方向に0回自転するケース
   A 物質が1回公転する間に、同じ回転方向に1回自転するケース
   B 物質が1回公転する間に、同じ回転方向に2回自転するケース

 @ の場合、観察者には、物質が1回公転する間に、反対の回転方向に1回自転するように見えます。そう見えるだけであって、観察者の座標系において物質が実際に自転しているわけではありません。

 A の場合、観察者には、物質は自転せずに公転だけするように見えます。そう見えるだけであって、観察者の座標系において物質は実際に自転しているのですが。 月 や ハンマー投げ がその例です。

 B の場合、観察者には物質が1回公転する間に、同じ回転方向に1回自転するように見えます。そう見えるだけであって、観察者の座標系において物質は実際には2回自転しているのですが。 固定された十円玉の周りを転がるもう一つの十円玉がその例です。


 以上の3つのケースで共通していることは、物質が公転するときに観察者にはその物質が反対方向に同じ角速度で自転しているように見えるということです。 では、何故そのように見えるのでしょうか?
 それは、観察者が自分の座標系をきちんと固定しきれずに、物質を正面視しようとして物質の公転の角速度と等しい自転をしてしまうからです。観察者の座標系が自転をすると、観察される物質は、相対的に反対方向に同じ角速度で自転しながら公転することになります。そのことに気づいて、観察者は感覚の世界から理性の世界へと立ち戻ってきて、「物質は公転だけしていて自転はしていない。」と肝に銘じるのです。

※ 参照: 大学生のための物理学 > 剛体力学 > 自転公転の相対原理