半径 10 m の円周上を角速度 π/2 rad/s で反時計回りに等速円運動している観察者がいます。時刻 0 s に彼は持っていたボールをそっと手放しました。ボールの質量は 0.1 kgです。観察者の座標系におけるボールの移動について考えましょう。円の中心から観察者へ向かう方向を y 軸の向きとし、観察者の移動速度と反対方向を x 軸の向きとし、観察者は常に座標原点にいるとします。
ボールは私たちにとっては速さ 10 × π/2 m/s =→ 5 π m/s で円の接線方向に等速直線運動をするのですが、観察者にとっては、最初 速さ 0 m/s で、次第に y 軸方向に加速していき、その後は次第に x 軸の正の方向へと曲がって行きます。
観察者の座標系においてボールに作用する力は 遠心力 と コリオリの力 です。前者は、y 軸の正の方向を向いていて、大きさが 0.1 × 10 × (π/2)2 N =→ π2/4 N で、後者は、観察者の座標系におけるボールの速度の方向に対して垂直な方向で、かつ、x の正の方向であり、その時のボールの速さを v とすると、 2 × 0.1 × π/2 × v_ N =→ πv/10_N の大きさです。

では、もっと具合的に、観察者からはボールはどのように移動しているように見えるのでしょうか?
ボールがリリースされた瞬間の観察者の座標系を固定したとすると、その座標系においては、ボールは x 軸の負の方向に 速さ 5 π m/s で移動していきます。でも実際は、観察者の座標系は、角速度の大きさ π/2 rad/s で反時計回りに公転しながら、角速度の大きさ π/2 rad/s で反時計回りに自転しています。そこで、まず、ボールがリリースされた瞬間の観察者の座標系を移動はさせずに自転だけさせて、その座標系でのボールの移動を考えます。すると、次のように座標変換されます。


参照: 力学 > 等速自転座標系への座標変換
次に、これをさらに実際の観察者の座標系へと座標変換します。すると、次のようになります。

参照: 大学生のための数学 > その他の数学 > 平行な座標系への座標変換
これが求めたいボールの運動になります。これを十進BASIC を用いてグラフにします。
ボールは1秒後には ( x, y ) = ( 10, 5.71 ) の位置にあり、2秒後には ( x, y ) = ( 31.42, −20 ) の位置にあります。

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