夕焼け小焼け
音楽と物理学 へ戻る
ばいおりんの日常的物理学文集 へ戻る
2011.06.23
7月1日は、 童謡の日である。 数年前のその日、 四国の童謡の里、 高知県安芸市に日帰り旅行したことがある。 市内のいたる所に音符が刻まれた石碑が建てられており、 車で写真に収めて回った。 金魚の昼寝、 叱られて、 鯉のぼり、 春よ来い、 浜千鳥、 雨、 靴が鳴る。 すべて、 大正時代に活躍した地元の童謡作曲家 弘田龍太郎の作品である。
数ある童謡のうち特に私が好きなのは、 5月に聞く「 茶摘み 」と 9月に聞く「 夕焼け小焼け 」である。 童謡の多くは、 ファ と シ の音が無い5音階なので、 ピアノの黒鍵だけで弾くことができる。 夕焼け小焼けは、 大正12年( 1923年 )に発表された。 作詞は中村雨紅、 作曲は草川信。
夕焼け小焼けで 日が暮れて
山のお寺の 鐘が鳴る
お手々つないで みな帰ろう
からすと一緒に 帰りましょう
前半部分は、 夕方の時の流れを歌っているとのこと。 つまり、 西の空一面が赤くなる夕焼けから、 日没直後の局所的な小焼けになり、 それから次第に辺りが暗くなって、 時を告げる鐘の音。
昼間は、 太陽は白色 で 空は青色。 夕方は、 太陽はオレンジ色 で 空もまたオレンジ色。 これは光の散乱による現象である。 太陽光はいろんな色の光の集まりだ。 いろんな色が集まれば白色になる。 昼間は、 散乱するのが比較的波長の短い青色だけであり、 したがって、 太陽は白く空は青い。 夕方は、 光が大気の中を長時間に渡って伝わってくる間に波長の比較的長いオレンジ色や赤色は、 半分が散乱し、 半分が直接伝わってくるし、 それ以上の波長の短い色たちは、 大気中を進む前半の間に散乱して姿を消していく。 ( その時は、 西の地域では、 波長の短い色たちが空の色を作っている。) そのため、 夕方は、 太陽も空もオレンジ色なのだ。 大気中を伝わる太陽光が、 大気中の光の波長よりも小さな粒子によって、 最初は比較的波長の短い光から散乱しはじめ、 進むにつれて次第に比較的波長の長い光が散乱してくる現象は、「 レイリー散乱 」という原理を使って説明される。