何らかの原因で肺の一部に穴があきますと、 肺の中に吸い込んだ空気の一部が、 その穴を通って肺の外かつ胸腔の中に移動します。 息をするたびにその量が増えてきます。 それに伴い肺には外からの気圧がかかるようになりますので、 肺は次第にしぼんで参ります。 すると換気量が低下するために呼吸困難になってきます。 これが気胸です。 レントゲンをとると、 すぐに気胸と診断することができます。 そしたらすぐに局所麻酔をして小切開をし、 鉄釘を芯にした細長いチューブを胸腔内にブスッと差し込んで、 鉄芯を引き抜いてチューブだけを胸腔内に留置します。 そして、 下のような装置の入口にチューブをつなぎ、 また、 出口を吸引配管につないで吸引配管の吸引力を調整して装置内の水の中を空気が少しずつ泡となって浮き上がってくるようにします。 すると、 胸腔内は
の気圧となり、 胸腔内に漏れていた空気は吸引配管へと吸い込まれていき、 肺が元通りに広がってきます。 A瓶の底には、 炎症のために胸腔内で産出された少量の胸水が溜まってきます。 肺が広がると、 穴のところには炎症が起こっていますので、 肺を包んでいる胸膜と胸腔内側の胸膜とが癒着して穴が塞がります。 こうして気胸は治っていきます。
B瓶の中には水が入っています。過去に開腹手術を受けた人が、 柿などの消化の悪い物をよく噛まずに食べますと、 それが、 小腸の側壁どおしが癒着して折れ曲がっている部分に引っかかります。 小腸もなんとかそれを通そうと、 腸液を分泌し蠕動を盛んに行いますが、 それがかなわないとなると、 そこに炎症がおこり小腸の壁が水膨れして完全に閉塞してしまいます。 すると、それより上流で分泌される腸液がどんどん溜まってきて、 小腸は蠕動運動ができなくなって、 腸液は胃内へと逆流し、 ついには腸液を嘔吐するようになります。 これが腸閉塞です。 レントゲンをとると、 すぐに腸閉塞と診断することができます。 そしたらすぐに局所麻酔をして鼻から胃カメラを小腸内に挿入します。 胃カメラの長さの4倍もある細長いワイヤーの先を胃カメラの中を通して小腸に挿入したら、 胃カメラだけを引き抜きます。 そして、そのワイヤーをワイヤーの半分くらいの長さのチューブの中に通して、 チューブをワイヤーに沿って鼻から小腸内に挿入します。 チューブがワイヤーの先端に達したら、 ワイヤーを少し引き戻します。 すると、 チューブの先端は逆に小腸の中を大腸の方に向かって進んでいきます。 ワイヤーを入れたり引き戻したりしてチューブの先端をある程度進めたら、 ワイヤーを引き抜いてチューブだけを小腸内に留置します。 そして、 上のような装置の入口にチューブをつなぎ、 また、 出口を吸引配管につないで吸引配管の吸引力を調整して装置内の水の中を空気が少しずつ泡となって浮き上がってくるようにします。 すると、 小腸内は
の気圧となり、 小腸内に溜まっていた腸液はA瓶へと吸い込まれていきます。 小腸内の腸液が排除されて小腸内圧が低下するとると、 小腸は再び蠕動運動を開始します。 チューブの先端に付いた風船を水で膨らませておくと、 蠕動運動によって、 チューブの先端は大腸の方に向かって進んでいきます。 そして閉塞部に近づき、 そのあたりの腸液が排除されて小腸内圧が低下すると、 小腸の炎症が取れ腫れが引いて、 閉塞が解除されます。 こうして腸閉塞は治っていきます。
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