(1) 跳ね返ってくる音波を使う方法
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A : 無風下で、 救急車が
の速さで止まっている私に突進してくるときは、 私が聞くサイレンの音は、 通常のサイレンの音よりも
倍 の高い音になり、 救急車が
の速さで私から遠ざかっていくときは、
倍 の低い音になります。* 音速 :

救急車の速さ :


B : ではここで問題です 。 無風下で止まっている救急車に、 私が乗り込んでサイレンを鳴らします。 音響板が
の速さで救急車に突進してくるときは、 私が聞く音響板で跳ね返ってきたサイレンの音は、 通常のサイレンの音の高さの何倍になっているでしょうか?
ヒトの耳には聞こえないけれども、 イルカ や コウモリ には聞こえる、 高い( 振動数の大きい )音を、 超音波と言います。 超音波 も 可聴周波( ヒトに聞こえる音 )も同じ音波の仲間ですから、 その媒体や伝わる速さは同じです。 音波の反射のことを エコー( 音響 )といいます。「 超音波エコー画像診断機器 」を用いると、 腹腔内臓器の腫瘍 や 心臓内の血液逆流などを、 害なく簡単に見ることができます。
超音波エコーには次のような性質があります。
超音波が伝わる媒体の各点における微小空間中の比重の勾配が多いほど、
その点での超音波の伝達量に対する反射量の比率が高くなる。
( 液体は比重が均一なので、 超音波は液体の中では反射しない。)
超音波エコーは、 B のようなドップラー効果を受ける。
そして、「 超音波エコー画像機器 」のしくみは、 次のようになっています。
の性質を利用して、 各点における超音波エコーの量( どの点からどれだけの量の超音波が反射されて戻ってきたか )を、 2次元平面に、 黒 〜 灰色 〜 白 の光の明度でマッピングすると、 白黒の断面像ができる。
の性質を利用して、 各点における超音波エコーの振動数から超音波を反射した物質の移動の速さと向き ( 近寄るか遠ざかるか ) を割り出して、 各点における超音波反射物質の速さを、 2次元平面に、 赤 ( 近寄る方 ) または 青 ( 遠ざかる方 ) の2色の光の明度でマッピングすると、 カラーの断面流量分布像ができる。
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障子紙でできた袋の中に、 ルービックキューブ または 野球ボール が入っていて、 外からは見えないようにして置いてあります。 この袋に接触したり袋を変形させたりすることなく、 中に何が入っているのかを簡単に見分ける方法はあるでしょうか? あります。 袋の後ろから強い光を当てればいいのです。 すると、 影が見えますので中の物が何かわかります。
では、 画用紙でできた袋だったらどうでしょうか? できます。 袋の後ろからレントゲンを当て、 袋の前に蛍光板を置けばいいのです。 蛍光板を見れば、 そこに中の物の影が映っています。
レントゲン( X線 )は、 可視光線( ヒトに見える光 )と同じ電磁波の仲間で、 光よりも振動数が大きい( 波長が短い )ものです。 レントゲン写真は、 白黒写真で、 向かって左側が被写体の右側になっています。 そして、 レントゲンがよく透過した部分ほど黒くなっています。 レントゲン写真を見るときは、 反対側から白い光を当てながら見るのですが、 その光が被写体の背後から当たっており、 その光の反射量&吸収量が多くて透過量が少ない多い所が、 黒と反対の白い影になっているのだと考えると、 写真がリアルに見えてきます。 最近では、 レントゲン画像をコンピューターに取り込んでからネガティブ画像にして、 リアリティーを出すような工夫もされています。
レントゲンを利用して体の断面像を作るCT( コンピューター断層撮影 )は、 魔方陣の原理を利用しています。 魔方陣とは、 正方形の方陣に数字を配置し、 縦 ・ 横 ・ 斜め のいずれの列についても、 その列の数字の合計が同じになるもののことです。 CT写真は、 体内の各点における微小空間域のX線吸収率を黒〜白の光の明度でマッピングしたものです。 微小空間域のX線吸収率は、 縦 ・ 横 ・ さまざまな斜め の1直線上に存在する微小空間域のX線吸収率の和のデーターを多数取り、 数多くの多元1次連立方程式を立て、 連立方程式を解くことによって求めることができます。
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