導線の中の電子たちを移動させるには2通りあります。 1つ目の方法は、 導線に電圧をかけてやることです。 こうしてできた電子たちの移動は 電流 と言われます。 2つ目の方法は、 導線を ( 縦軸と垂直方向が一般的ですが ) 移動させることです。
電子が移動すると、 磁場 をつくります。 その方向は、 右ネジの法則に従います。 ( 母指の指す方向を電子の移動方向と反対にしなければなりません。)
磁場の中で移動する電子には ローレンツ力 が働きます。 その方向は、 左手フレミングの法則に従い、 母指の指す方向になります。 ( 中指の指す方向を電子の移動方向と反対にしなければなりません。)
左手フレミングの法則 「 ちじでんの法則 」:
母指 ( ち ) : ローレンツ力 ( 求めるもの )
人差し指 ( じ ) : 磁場
中指 ( でん ) : 電流
右手フレミングの法則 「 うじでんの法則 」:
母指 ( う ) : 導線の運動
人差し指 ( じ ) : 磁場
中指 ( でん ) : 電流 ( 求めるもの )
左手フレミングの法則 も 右手フレミングの法則 も、 結局は、 ローレンツ力の方向を求めているのです。「 ちじでんの法則 」では、 導線に電圧をかけることで電子を移動させでローレンツ力を発生させ、 それが導線を縦軸と垂直方向に移動させます。「 うじでんの法則 」では、 導線を縦軸と垂直方向に移動させることで電子を移動させてローレンツ力を発生させ、 それが電子を導線の縦軸方向に移動させ、 電流を作ります。「 うじでんの法則 」は 電磁誘導による誘導電流の方向 をみたものです。
電磁誘導とは、「 ファラディーの電磁誘導の法則 」が示すように、 電気回路の中を貫く磁束の量の変動によって生じる現象であり、 それは移動する電子に作用するローレンツ力が根本になっています。 電磁誘導には3種類あります。 それは、 電気回路の中を貫く磁束の量の変動のしかたに3種類あるということです。 1つ目は、 交流の様な電流が絶えず変化する電源によって作られた磁場は時間的に絶えず変化するので、 それによって電磁誘導が起こるものです。 2つ目は、「 うじでんの法則 」のように、 一様な磁場の中で導線の一部が動いたり電気回路が回転したりして電気回路が囲む平面の面積が変化し、 そのために電気回路の中を貫く磁束の量が変化して電磁誘導が起こるものです。 ( 一様な磁場の中で電気回路の全部が同じ方向に移動する場合は、 全ての電子に働くローレンツ力が相殺し合って、 電流は流れません。) 3つ目は、 永久磁石の周辺のように空間変位によって磁場の大きさや向きが変化している磁場の中を電気回路全体が運動することによって、 電気回路の中を貫く磁束の量が変化して電磁誘導が起こるものです。
3つ目の電磁誘導の仕組みを利用したのが、 原始的な マイク や スピーカー です。紙コップの底の縁に永久磁石を張り付けて固定し、 紙コップの底の真ん中にはコイルを張り付けてコイルは紙コップの底と一緒に振動するようにします。 この装置は、 マイク でもあり スピーカー でもあります。 マイクとして機能するときは、 音声による空気の振動が紙コップの底のコイルを振動させ、 電磁誘導が起こります。 空気の振動の仕方によって、 コイルの動きが複雑に変化しますので 、誘導起電力も複雑に変化します。 このときの誘導電流を別のマイクのコイルに流してやりますと、 別のマイクはスピーカーとして振る舞います。 この時は、「 ビオ・サバールの法則 ( 右ネジの法則 )」により、 電流が周辺に磁場を生み、 それが永久磁石の磁場と反発したり引き寄せ合ったりして、 コイルが複雑に振動することになります。
磁石のS極とS極とは反発しS極とN極とが引き合うのも、 ローレンツ力が根本になっています。 2つの環電流が向き合って互いに反対回りに電流が流れている場合は、 同極が反発する現象になります。「 ビオ・サバールの法則 」によりますと、 電流素片
はそこから位置ベクトル
の場所に、 ベクトル
と同じ方向に磁場を形成します。 そしてこの磁場は別の電流素片
に対して、 次のベクトルと同じ方向にローレンツ力を作用します。
結局、 2つの電流素片
と
の間には次の式で与えられる ローレンツ力 が作用しているのです。
したがって、 2つの環電流が向き合って互いに反対回りに電流が流れている場合は、 斥力になるのです。 このように磁力の本質は、 ローレンツ力なのです。 さらに、 相対性理論では、 クーロン力( 2つの電荷に作用する力 )は「 第4の空間( 虚空間 )であるところの "いわゆる固有時間" 」を光の速さで移動する電流素片どうしに働くローレンツ力であることも導き出されます。
先ほど、「 電磁誘導は、 電子に作用するローレンツ力が根本になっている。」と申しましたが、 これからその理由を述べます。

導線AB( 図では大きのですが、 微小な長さ
と考えてください。)が 点О を中心に速さ
で時計回りに回転しています。 つまり、 点A や 点B は 点О を中心として等速円運動しています。 この紙面に垂直にこちらから向こう側に向かう一様な磁場があり、 その磁束密度を
とします。
とします。 電子たちにはローレンツ力が加わります。 その方向は、 左手フレミングの法則により、 向心方向になります。 すると、 電子がA側に偏在するようになりますので、 遠心方向に電場
が形成されます。 すると、 点P で導線に対して静止状態となっている電子( 電荷を
とします ) の向心遠心方向の運動方程式は次のようになります。
また、 導線AB の両端の電位差
は次のようになります。
また、 微小時間
に導線AB が動く面積
は次のようになります。
を貫く磁束
は、
で表されますので、 これに
と
を代入して、
この式に
を代入して、

これがファラディーの電磁誘導の法則です。
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