急ブレーキによる転倒
力の物理学 へ戻る
ばいおりんの日常的物理学文集 へ戻る
2019.11.29


  電車の中で進行方向を向いて吊革につかまらずに立っているA君がいます。 靴と床との静止最大摩擦は十分に大きくて滑ることはないものとします。 電車が急ブレーキをかけると、 A君は前のめりに転倒しますが、 その現象について考えてみましょう。

  第1の視点。 観察者はA君自身です。 両足に進行方向と反対方向の力が加わり、 それは力のモーメントとなってA君の重心を中心に回転を起こし、 A君は前のめりに転倒します。

  第2の視点。 観察者は、 電車と常に同じ速度で移動している人です。 電車に急ブレーキがかけられると、 観察者には進行方向と反対方向に力が加えられます。 この力によって、 観察者は電車と常に同じ速度で移動することができます。 この観察者からすると、 電車に急ブレーキがかけられると、 A君の重心には進行方向に力が働いて、 それは力のモーメントとなってA君の靴底を中心に回転を起こし、 A君は前のめりに転倒します。