MRIの原理
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2023.08.27
強力な磁場の中に置くと、原子が同じ方向を向いて、磁場の方向と反対の磁場を創造するするような磁性を持つものに変化して強力磁石に反発するようになるものがあります。水がその代表で、そのような状態になった物質は「反磁性体」と言われます。
電流は「右ネジの法則」に従い周辺に磁場を形成しますが、これは「ビオ・サバールの法則」と言われます。導線の中で電流が流れているとき、プラスの電荷は導線に対して静止しており、かつ、マイナスの電荷は導線に対して移動しています。したがって、「正の電荷と負の電荷が相対的に移動する時に電流が生じる。」と言うことができます。したがって、「正の電荷と負の電荷が相対的に移動する時に電場が生じる。」と言うこともできます。核の部分にプラスの電荷が分布し、かつ、外殻の部分にマイナスの電荷が分布しているという、そういった球体の核が自転している場合、周辺には磁場が形成されます。たとえば水素原子がそうです。
MRIでは、まず人体が存在する空間に大きさに傾斜のある向きが同じ磁場を与えます。傾斜を作っているのは、あとでフーリエ解析して、それぞれの電磁波発生場所を特定するためです。そうすることによって、人体の中の水素原子の自転(スピン)の方向が一様になります。したがって、この時点で人体は「反磁性体」になっているのです。ここに、磁場に垂直な方向に 大きさが周期的に変化する振動磁場 を与えます。すると、水素原子核のスピンは歳差運動を開始します。そのときは、受けた振動磁場の影響で水素原子はエネルギーの高い状態になっています。そこで、振動磁場を消滅させます。すると、水素原子核のスピンは歳差運動を止めて元の状態に戻ろうとしますが、そのときに電磁波を出すのです。MRIでは、この電磁波の情報を解析して画像を作ります。