理髪店のサインポールを見ると、 青色または赤色の螺旋が右肩上がりに反時計回りに回転しながら果てしなく上へ上へと移動します。 しかし、 サインポールは実際には時計回りに回転しています。 それは、 サインポールの上端または下端に注目すればわかります。 これは一種の錯視です。
図1

図2

上記の、 図1 および 図2 のスペクトラムで表される音は、 どちらも周波数が
の同じ高さの音です。 ただし音色は少し異なります。 図1はバイオリン、 図2のチェロのイメージです。さて、 シンセサイザーを使って図3のようなスペクトラムで表される音を作ります。
図3

この音は、 周波数が
の高さの音でもあり、 かつ、 それよりも1オクターブ低い周波数
の音でもあります。 ヒトの脳は、 それを、 前後の音の流れによって、 どちらかの音の高さであると判断します。
を次のように少しずつ変えて12個の音を作ります。
作られた12個の音は、 順に次のような音名になります。

この順に音を鳴らしていくと、 イ調の半音階になります。 そして、
のあとすぐに
を鳴らして再びこの半音階を演奏することにし、 これを何回も繰り返します。 するとその音階は、 次第に上がって行って、
のところでストンと落ちてまた上がって行く、 というふうにはならず、 永遠に半音階ずつ上がって行くようなのだけど、 同じ所をぐるぐると回っているようになります。 何回も何回も聞いていますと、 実際は
のところでストンと落ちているのに気づきます。 この錯聴の1つである無限音階は、 発見者の名をとって、「 シェパードトーン 」と言われています。「 NTTコミュニケーション科学基礎研究所 人間情報研究部 感覚情動研究グループ 」が管理運営しておられる「 イリュージョンフォーラム 」 http://www.brl.ntt.co.jp/IllusionForum/index.html に行けば、 無限音階を聞くことができます。
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